2012年12月29日

大掃除の中で思いがけぬ宝物2つ発見!!!

今日は、12月29日(土)。午前中は、卒業論文完成に向けて学生と面談をしてきました。学生たちが納得のいく論文に仕上げてくれることを願うばかりです。

そして、午後は、自分の部屋の大掃除にかかりました。
ずいぶん前からボール箱に詰め込んでいた、ノート類やPC関係のコード類などを思い切って整理し始めたのです。

その作業の中で、2つの宝物発見をしました。

一つは、大学卒業時に出かけた卒業旅行の小さな手作りのしおりです。
私は、徳島大学教育学部小学校教員養成課程を卒業しましたので、きっとその当時も、「24の瞳」の舞台となった小豆島を思い、出かけたのだろうと思います。何人でどんなふうに出かけたのか、すべて私の記憶からは消えていました。

それが、「小豆島への誘い 昭和49年3月1・2日」と記された手作りしおりにしばらく手を止めてしまいました。

R0013643.JPG

確かに私が作成した可能性のあるしおりです。そして、最後のページに、寄せ書きのページが作られていて、それを読むと、なんとうれしいメッセージが書かれているのでしょうか。そうだったんだ・・そんなふうに見られていたのだ・・ほぼ40年前の津村です。なんか不思議な感じで、書いてもらった文字を何度も読んでしまいました。ちょっと恥ずかしいけど、なんかうれしいメッセージをアップすることにします。

写真.JPG

そして、もう一つの宝物(?)が、やはり大学時代に所属していたクラブ「青少年研究部」で、毎夏学校を借り切って、小学生を中心に集めて、「サマースクール」を7〜10日間ほど行っていました。教室や宿直室、家庭科室などを利用しながら男子も女子も、寝泊まりをしながら、午前は生徒たちに授業を、午後は子どもたちと校庭で遅くまで遊んだものです。サマースクールの開校式にはいつも手作りの人形を使った「人形行劇」を練習に練習して出かけたものです。

その時に、津村が作った「サマースクールの歌」の楽譜が出てきたのです。何度も書き殴った音符の跡があり、そしてその後ろには清書書きした楽譜がありました。懐かしく思い、ギターを取り出し、メロディーを何度か弾くと、確かに思い出すものですね。その時のさまざまな香りというか感覚がよみがえってきました。

R0013641.JPG

実は、家内とはそのクラブで知り合い、結婚したのです。突然、ドアを開け、「何を歌っているかと思ったら・・」「サマースクールの歌でしょ・・」と。

いやあ、今日は一機に大学時代にタイムスリップする感覚を味合わせて頂きました。

当時の仲間たちは、教諭生活も終え、そろそろ退職をしていっています。
津村も、そろそろ今の大学での生活にひと区切りをつけ、これまでの自分の歩んできた道をもう一度しっかりとふりかえってみたいと考えています。そして、卒業していった教え子(というとおこがましいですが)が元気にしているか?どんな人生を送っているか?もう一度確かめ合える出会いの時と場を求めて、残りの人生を歩もうと考えています。
posted by つんつん at 20:35| Comment(2) | TrackBack(0) | オフタイム

2012年12月21日

昨日(12月20日)ファシリテーション検定試験をゼミにて行いました!!

2012年12月20日(木)午後3時15分から午後5時15分にかけて、我が南山大学人文学部心理人間学科ファシリテーション研究ゼミの今年最後の授業において、「ファシリテーション検定試験」を行いました。
 以前から、ゼミ生には、話をしていたのですが、ファシリテーションを学び、何を学んでいるのかを点検するために、「ファシリテーション検定試験」を行うことにしたのです。検定試験をするにあたり、どのような検定試験が適切か、いろいろ考えたのですが、結果として、3つの領域の試験を行うことにしました。それは
(1)基礎知識編
ファシリテーターとして、身につけておいてほしい基礎知識をどれぐらい理解しているかを確認する
(2)ファシリテーション・スキル編
ファシリテーターとして、ミーティング時にどのようなファシリテーション・スキルを活用することができるかを確認する
(3)プロセス介入(働きかけ)編
グループのプロセスを観察し、グループ・プロセスに着目してプロセスに働きかけることができるかを確認する

今回の検定試験では、以下の問題を行いました。そして、下記のような採点基準を提示して、自己採点をしてもらいました。
<基礎知識編>(100点)
問1:体験学習の循環過程とそのファシリテーションについて説明しなさい。(50点)

下記の視点が記載されていると、視点ごとに10点を加算する。
@4つのステップ(体験→指摘(内省・観察)→分析→仮説化)が記載されている
A4つのステップについて、それぞれの記述がされている
B体験学習を実施する意味や必要性、またその効果についての記述がある
C体験学習を実施するファシリテーションとはどのようなことかの定義が書かれている
D体験学習の場をつくることなど、体験学習のステップに関連させたファシリテーションの働き(津村は6つ上げている)を記述している

問:コンテントとプロセスとは何か、プロセスを観る視点について説明しなさい。(50点)

下記の視点が記載されていると、視点ごとに10点を加算する
@氷山図を描くなどして、コンテントとプロセスについて記述されている
Aプロセスには、個人レベルやグループレベルのプロセスなど種々あることの記述がある
B個人レベルのプロセスの視点として3つ(行動、思考、感情)の視点が記述している
Cグループ・プロセスについての要素(コミュニケーション、意思決定、ノーム、リーダーシップ、目標、役割、手順、雰囲気など)の記述がある
D特に、リーダーシップの2つの働き(機能)について記述があり、ファシリテーションの働きとしてこの2つの機能を考えることの旨が記述している。


<ファシリテーション・スキル編>(100点)
問:メンティが今気になっている課題を聴き、それを模造紙を用いて描き、中心となる課題を見つけなさい。(視点ごとに10点)

写真(検定:ミーティングスキル編).jpg

@ミーティング終了時に、相談者(メンティ)にとって、共感や納得感を感じることができたかを相談者の主観で採点する
A拡散思考的ミーティングを行い、20以上のアイデアが出されているか?(20以上→10点、15以上→7点、10以上→5点)
B収束思考的ミーティングに切り替えて、中心課題を3つ以内に見いだすことができているか?
C問いかけ(1)相談者の問題に関して、行動・思考・感情の視点から問いかけているか?
D問いかけ(2)相談者の問題に関して、過去・現在・未来の視点から問いかけているか?
E問いかけ(3)相談者の問題に関して、長所−短所、good-badのように2局面から問いかけているか?
F問いかけ(4)相談者の問題に関して、チャンクアップ、チャンクダウンといった抽象のはしごを行ったり来たりできているか?
G問いかけ(5)相談者の問題に関して、全体を見渡し、問題の焦点づけをする問いかけをしているか?
H相談者にとって、思いがけない課題を発見した思いがあるかを相談者の主観で採点する。
I模造紙を観ることで、第三者がミーティングの過程を理解できる、そのような模造紙の使い方をしているか?

<プロセス介入(働きかけ)編>(100点)
問:グループ討議を観察して、タスク・プロセス、メインテナンス・プロセスへの働きかけを2つずつ、考えなさい。

写真(検定:プロセス介入編).jpg
※ 3年生10名がグループ討議を行うのを検定受検者がグループ・プロセスを観察する。
※ 検定受検者は、そのグループ・プロセスを観察しながら、タスク・プロセスとメインテナンス・プロセスへの働きかけの可能性(選択肢)を記していく。

このプロセス介入編の検定試験は、まさに生ものなので、基準を具体的・かつ明確に書くことは難しいですが、以下の視点からの記述ができればよいと判断しました。
@2つのプロセス(タスクとメインテナンス)の識別ができている
A働きかけのいくつかを記述できている。(直接指示する働きかけ、気づきを確認する働きかけ、感情反射や解釈に基づいた働きかけなどReddyの働きかけの立方体が理解できているか)
B働きかけのレベル(グループ、対人関係、個人への焦点づけ)が意識されているか
CBeckhardのGRPIモデルが意識された問いかけができているか
DReddyのRoadマップを意識した問いかけがなされているか

というような視点から検定試験を行いました。もちろん、テキストは「プロセス・エデュケーション」(金子書房)です!!

検定試験のPassは、いずれの領域でも80%を基準にしようと考えていましたが、クリアする学生はいませんでした。
結局、この検定試験を考えていく過程で、津村が学生に求めていること、それは、こうした視点から授業を展開しているかということを自ら問うことになったのです。検定試験を学生がPassできなかったということは、津村が授業で十分な学びの場を提供していないということになります。
まだまだ、いろいろと検定試験問題は考えていきたいと思います。もちろん、それに併せて、採点基準も吟味していく予定です。
まずは、再度、この基準をもって、現ゼミ生を対象に再試験を実施することかな・・と考え始めています。
posted by つんつん at 14:33| Comment(0) | TrackBack(0) | プロセスエデュケーション

2012年12月09日

第6回体験学習研究会が開かれました!

2012年12月8日(土)午後1時30分から午後5時頃まで、第6回体験学習研究会(学校教育領域)が開催されました。

今年は、なんと6回も研究会を開催することができました。2月に1回の割で、研究会ができたことになります。

今回の最終回は、教育ファシリテーション専攻の院生M1(修士一年)の3人の企画で、プログラムの実施をしていただきました。実は、教育ファシリテーション専攻の専門科目として「体験学習ファシリテーション応用研究」という科目の受講者です。彼らの一つの実践の場として、トライアルをされました。とても貴重な体験になったことと思います。

内容は、拙書「プロセス・エデュケーション」にて紹介をしている「セルフ・サイエンス」の内容を実習のプログラムとして紹介してくれました。なかなかチャレンジングな企画でした。

ねらいは、「実習を通して、自分の行動の拝見にある感情や思考に気づく」ということを立て、セルフ・サイエンスのパターン同定のフォーマットを用いて、それに書き込み、分かち合いをしながら、ねらいを達成しようという試みでした。

まずは、チェックインから始まり、2人組を作り、話し手と聞き手を決めて、「人とのかかわりでうれしかったこと、うまくいっていること」を話すということをやりました。その後、簡単なふりかえり、どんな体験、行動、思考、感情などを書き記してみる。

次に、「セルフ・サイエンス・シート」(拙書の中では、パターンを同定するためのフォーマット)を用いて,自分のコミュニケーションでうまくいっていないこと、困っていることを書き出す。そして、4人組になって、分かち合い。その後、ふりかえり用紙を用いて、気づき学びの記入と分かち合いをしました。

なかなか高度なプログラムで、参加者の関係詞がとても重要になるだろうと思われます。実習後のフィードバックタイプでも、そのことは指摘を受けていました。今回の研究会の参加者だからこそできたプログラムではないかとの意見でした。

参加した実感としては、自らが実施している「セルフ・サイエンス」だからこそ、興味深く取り組めたということもあったかもしれません。

実習終了後に出された、参加者のフィードバックは、とても的を得たフィードバックでした。一部をご紹介しておきます。

・お互いに話し合った3分感が短かった。
・ずっと悩んでいる問題を出したので、長く考えており、そう簡単に解決することはできないと思いながら実習に参加していたところがある。
・実習のねらいとふりかえり用紙のマッチングが適切だったか?特に、これからに向けて、日常に向けてを書く前に、もう少し、分かち合いで気づいたことなどを書くことができる項目がほしかった。
・母親を対象に実施するプログラムならば、子どもとの関係でうまくいかないことなどの場面を設定して考えてみるとおもしろいかもしれない。
・コミュニケーションがうまくいかない場面を想定したが、今ひとつ、漠然としていたように思う。
・4人の分かち合いで、ひとりが自分のコミュニケーションのありようを話し、他のメンバーが質問をすることで、気づきと学びが豊かにあった。ただ、質問をどれぐらい参加者ができるかと言うことが学びの成果に大きく影響するかもしれない。
posted by つんつん at 20:15| Comment(0) | TrackBack(0) | プロセスエデュケーション

2012年12月03日

拙書「プロセス・エデュケーション」重版決定!!

 この土曜日(12月1日)日曜日(12月2日)は、日本体験学習研究会第14回全国大会が開催されました。今回の大会は、新しい試みとして、参加型レポートセッションを行いました。津村が、進行役をさせて頂いたのですが、果たしてどのように展開するのか、心配しながらの実施でした。
 というのも、D51教室という大きな絨毯敷きの部屋に一堂介してのレポートセッションでした。第一部は、7人の発表者が一斉にそれぞれレポート発表を15分、そのご質疑応答10分と、徴収が変わって、もう一度発表と質疑応答を行いました。全体インタビュー後、休憩をとり、その後第二部は、ワールドカフェ風に、グループでの対話の時間を2回ほど行いました。そして、第三部は、関心のあること、今話してみたいことをテーマとして出し合い、OST風に話し合いの場をもちました。もう少し、レポートセッションの話題について話をしたいと思われた方もいたようですが、多くは、いろいろな刺激を与えたりもらったりするとてもあたたかな感じの場ができたのではないかと思います。
 こうした場づくりも、ファシリテーションの一つの働きが必要なのかもしれませんが、津村は相変わらずのおっちょこちょいで、勝手気ままに進めてしまったかもしれません。お気を悪くされた方がみえましたら、ごめんないさ。
 そして、話が変わりますが、拙書「プロセス・エデュケーション」の重版が決定したとのお話を頂きました。会場でも、当日、2日間、販売していましたが、関心を持って下さった方は、ご購入してくださったようです。こちらも感謝です!!!

DSC00965.JPG
posted by つんつん at 18:18| Comment(0) | TrackBack(0) | プロセスエデュケーション