2014年06月21日

プロセス・エデュケーションが必要な訳(01)

 一昨日の中日新聞に、ソフトウェア・電子回路設計のATシステム(浜松市中区)によって、お茶を入れる際のオフの温度と時間をはかり、飲みごろを知らせてくれる計測器「ティータイム」を開発した旨の記事が掲載されていました。
 温度計とタイマーを組み合わせた簡易な仕組みであるとのことです。沸騰したお湯にセンサーを入れ、お湯が設定した温度まで冷めるとブザーが鳴り急須に注ぐタイミングを知らせるようです。続いて、タイマーに切り替わり、飲み頃になると再びブザーが鳴る仕組みです。玉露や煎茶などお茶の種類、急須の素材によって時間と油温の設定を変えることができるそうです。
 なんと便利な道具が開発されていくのでしょうか?着実に、ある程度、品質を保証されたお茶をいただくことが、この機会によって可能になると思われます。
 ただ、この機会に頼ってお茶をいただくことになると、いつもお茶を飲むときにはこの機会を手放せなくなりそうです。この機会が手元にないと、おいしいお茶を頂戴することが難しくなるかもしれません。
 こうしたマシンの開発は、「体験から学ぶ」機会を失っていく(私たちから「体験から学ぶ」機会を奪っていく)ように思えてなりません。「体験から学ぶ」機会が失われると言うことは、学習者が体験を通して考える機会を失っていくことを意味しています。自分の行為をふりかえり、自分の行為に責任を感じ、自分の行為を自分の努力でよりよくしようとする意欲が育たないかもしれないですね。
 また、おいしいお茶を間違いなく飲めることを求められ、実現しようとする。このことは、失敗から学ぶこと、失敗を楽しむことを味わい損ねるのではないでしょうか?
 近年、こうした便利グッズは、たくさん目の前に現れて実用化されつつあります。こうした便利さの裏に、私たちが失っているもの・ことがあるのではないかと考えることは必要なのではないでしょうか?
 自分の体験を内省し、そこに起こるプロセスに気づき、そのデータを分析し、さらによりよくするための仮説化をするといった「体験から学ぶ」ことを大切にする「プロセス・エデュケーション」が今日特に大切になってきているのではないかと考えています。
posted by つんつん at 23:09| Comment(0) | TrackBack(0) | プロセスエデュケーション

2014年06月19日

プロセス・エデュケーションが必要な訳(No.00)

 少々しまりの悪いブログの一区切りでしたが、TグループとBEGとの比較考を進めてきましたが、これまでのブログの内容と、ヤーロムの書籍からの学びと併せて、10月中旬開催の日本人間性心理学会第33回大会に向かおうと思います。

 今年の私のテーマは、前述のTグループとBEGとの比較考が一つ、また体験学習の循環過程「サイクルのステップ」について、網羅的に吟味することが一つ、もう一つは、プロセス・エデュケーション(ProEdu)にまつわる話題で、ProEduが必要なわけをいろいろと考えてみることです。そして、もう一つが、グループの変化・成長過程をできる限り多くの理論・モデルを紹介できるようになることです。これらのことが整ったら、「プロセス・エデュケーション」の第二版に手をつけようと考えています。

 結構、たくさんの仕事が待っています。体験学習の循環過程に関しては、だいぶ書き出すことができています。こちらも、どこかのタイミングでこのブログで紹介をしていきたいと考えています。

 まず、プロセス・江デュケーションは、学習者と学習者との関係、学習者と教育者との関係に起こるプロセスに焦点をあて、相互の信頼関係を築くことをベースにしています。その相互信頼をベースに、学習者自身の内部や外部環境とのかかわりの中で生じる出来事やプロセスに気づき、そこから生まれる学習者の興味・関心となる学びの動機を満たすように支援する働きの総称をプロセス・エデュケーションとよびたいと考えています。

 学習者は、環境が整えば、学びは楽しいものだと感じ、自らの興味・関心で、能動的に学びに向かうことができると考えています。このことは、マグレガーのY理論の考え方であり、ノールズのアダルトラーニングモデルの考え方でもあります。人は、学ぶことは楽しく、また自分が発見した問題に自分で答えたくなるそうしたニーズをもっていると考えています。
 また、その自由な発想や興味・関心が発露するためには、学習者相互や学習者と教育者との関係に相互依存、相互信頼の関係が構築されていることが重要であると考えています。
 学習者が体験していることをベースに、その体験を素材として、学びに転換していく支援が大切になると考えています。それは、ヒューマンスキルのような人間関係に関わる学習目標はもちろんのこと、学校教育における教科学習や組織開発などにおける問題解決の問題などにおいても、関係的視点は重要になります。
 それは、誰かに与えられて学ぶ受動的な学習ではなく、自分自身が学びの主体となって、自発的な意思で学びを構築していくような環境づくりが生まれてはじめて、そのような学びは成り立つのです。
 こうした学びを促進するためには、K.レヴィンらによって提唱された今ここでのプロセスを大切にしたラボラトリー方式の体験学習の実践を中心に考えることが有効であると考えています。
 キーワードの「プロセス」と「ラバ他とリー方式の体験学習」の理解が不可欠になるわけです。

 その前に、学習者が自発的、主体的になること、考える力を育てることが、現代社会において大切であることをしばらく考えてみたいと思います。
posted by つんつん at 19:02| Comment(0) | TrackBack(0) | プロセスエデュケーション

2014年06月09日

手術からちょうど1ヶ月が経ちました!!

本日、病院に検査に出かけ、無事に回復の道を歩んでいることを確認してきました。

5月6日のGWの最終日に自転車で急ブレーキを握り、事故。5月9日に鎖骨骨折の箇所をチタンプレートをあて補強手術。あれから、ちょうど1ヶ月が経ちました。この1ヶ月、いろいろな時を過ごしました。
そんな中、この急ブレーキを握る行為から、二つのことを考えています。

一つは、疲れている中で無理をしないということです。ちょうど、あの時6日の時には、23Kmを走り目的地にたどり着き、楽しい時を過ごしました。そして、帰り行程で事故ってしまいました。少し、足も疲れ、心も少し疲れてきている中での事故でした。あまり無理をしちゃいけないというメッセージとして聴いています。そういう意味では、今年で一区切りをつけるには、ちょうどよいタイミングだったのかもしれません。無理して、現役を一生懸命続けていると、もっと大きな事故を起こしているかもしれません。まだまだ、この後の時間がありますので、慎重に日々を過ごさなければいけないと思っています。が、どうしても羽目をはずしてしまうこの私・・・うーん・・・つらいところです。

もう一つは、急に止まったら、止まれないと言うことです。事故ってしまうと言うことです。今年で一区切りですっきりと思っていますが、あまり一気に止まらないようにしなさいというメッセージとして受け取っています。仕事は、ぱたっとやめるのではなく、今の調子、流れを大切にしながら、やれる仕事は続けながら、生活をすることをしたいと考えています。

こうして、まだ右肩(鎖骨)を左手で押さえながらの、講義や研修ですが、地道に続けていきたいと思います。

本当にみなさまには、ご心配やご迷惑をおかけしました。
posted by つんつん at 20:09| Comment(0) | TrackBack(0) | プロセスエデュケーション