本日(4月7日 月曜日)、某看護短期大学にて、何度も依頼の電話とメールを受け、押しに弱い私は、特別講座をお引き受けすることにしました。
クライアントのニーズは、さまざまな病院をはじめ施設で5月から12月まで実習を学生が続け、特定のグループでその期間を過ごすことになるが、実習体験をもとにグループで「効果的なグループワークを行えるきっかけ作り」をお願いしたいということでした。期待するグループとしてあげてくださったのは、
・グループメンバーが自由に意見を述べることができるグループ
・他者の批判的意見も受け入れられるグループ
・メンバー個人の学びをグループメンバー全員が共有できるグループ
・自分たちで何とかしようとするグループ
・話し合いで、意見を言ったら「損」という雰囲気にならないグループ
・話し合い(おしゃべりではなく)ができるグループ
・グループメンバーの悪口を言わないグループ、スケープゴートを作らないグループ
このニーズをお聞きして、果たして何をしようかと立ち止まりました。最初は、情報カードを用いた問題解決実習を行いふりかえり、体験から学ぶことを伝えてくれればよいと言うことだったのですが、クライアントの期待を聴くと大きく方向転換をしなくてはということで、AIアプローチに着目してプログラムを設計し直しました。
具体的には、
タイトルとして「チームづくり〜一人ひとりの体験をベースにグループで学び合うために〜」としました。
ねらいは、「グループの学生メンバーはもちろんのこと、教員とともに、グループで体験を分かち合い、相互に学び合うことができるグループづくりの準備をする」としました。
13:00
あいさつとプログラムのねらいとながれの説明
13:10
ペアづくり→ウォーミングアップ
小講義「AIアプローチとは」
13:50
実習「ハイポイントインタビュー」
14:50 休憩もして集合
実習「パートナーを紹介する」
15:30
実習「グループがめざす“ありたい姿”の明確化」
16:00
“ありたい姿”の発表
16:05
宿題提示「グループがめざす“ありたい姿”に向けて:
16:10
終了:模造紙に描かれたポジティブコアとドリームを撮影、グループごとに
インタビューの時間をたくさんとりましたが、後半は少し忙しいプログラムになってしまいました。しかし、学生はもちろんのこと、教員も学生とペアになったり、グループに入ってくださり、まさに学び会うグループづくりの準備になったと想われます。
最終の各グループのドリームに出てきた言葉は、依頼を受けたグループのありようをめざす姿としてあげてくださいました。学生たちの言葉で生まれたことがとても大きな値打ちだろうと考えています。それに向けて、行動目標を立て、グループ活動に取り組む、グループの成長と個人の成長に発展していくことを願っています。
基本的な考え方は、「プロセス・エデュケーション:学びを支援するファシリテーションの理論と実際」の「第6章 グループや組織変革に向けたアクションプランニングモデルの2つの展開」(p.55〜66.)に少しですが、掲載しています。ギャップアプローチと言われる問題解決プログラムと、AIアプローチの考え方について、記載していますので、まずは、そちらをお読みください。
そして、具体的なハイポイントインタビューのシートなどは、2013年の暮れに刊行しました「実践 人間関係づくりファシリテーション」第3章ひらく(金子書房)津村・星野編(p.29〜41.)に掲載しています。参考にしていただければ、幸いです。
3時間ほどのプログラムでしたが、結構、このプログラム、臨地実習に出かける前のグループづくりとか、プロジェクトグループが誕生したときのキックオフミーティングなどで活用できるのではないかと考え始めています。その検討もかねて、JIEL(日本体験学習研究所)では、前述の「実践 人間関係づくりファシリテーション」の章を使って実習体験とその可能性のディスカッションから学ぶ講座を準備しています。よろしければ、ご参加ください。下記のURLをご覧ください。第3章ひらく ハイポイントインタビューについては、5月24日(土)の予定です。
http://www.jiel.jp/kouza-jissenfacili2014.htm
AIアプローチに魅了されている津村の試みでした。
追伸:模造紙に、ポジティブコアとドリーム(宣言文)を書いてもらいました。なかなかおもしろい作品ができたので、写真を撮らせてくださいと言ったら、学生のみなさんも被写体になってくださったので、アップはやめておきます。
2014年04月07日
2012年08月30日
Labo Partyの可能性を求めてーAIアプローチによる学びーの研修
AIアプローチは、私としては、数年前にNTLの研修(ワークショップ)で出会い、その後関心をもっていて、昨年度の大学院教育ファシリテーション専攻の集中授業で松瀬理保さんをお呼びして、実施した授業で学ばせていただきました.その後も、やりとりをしたり、フォローアップミーティングを行ったりしています。が、まだまだ学びの途中でもあります。
今年の1月に、KEEP協会の環境事業部で、新年ミーティングをAIアプローチで実施させていただきました.その経験からも、ますますAIアプローチには魅力を感じています。
そして、今回、
2012年8月29日(水)午前11時より、午後5時過ぎまで、6時間ほどの研修、もしくはミーティングをファシリテーターとして実施してきました.全国のラボ教育センターのラボパーティに関わる人たち(管理職)18名の方々が参加者でした.
大まかな流れを、私自身の記録のためにもブログに残しておきます。
午前11時に会場(芸能花伝舎)に集まり、スタートをしました.まず、簡単な自己紹介を終え、AIアプローチの紹介を30分ほどさせていただきました.
人や集団、組織がどのような意識をもつかで行動やアウトプットが変わってくるという話から始まり、AIアプローチとは何かのお話、そして、その誕生、ギャップアプローチとポジティブアプローチの違い、簡単に4Dサイクルの話をして、今日一日のスケジュール(予定)お伝えして、11時35分ぐらいになったでしょうか?
その後、まずDISCOVERYのステージで、ハイポイントインタビューの説明をして、トランプを使って偶然に出会ったペアを作り、11時40分から午後1時30分まで、そのペアで昼食もとり、インタビューもゆったりとしてきていただくことにしました.

午後1時30分頃には、参加者のみなさん、顔は晴れやかな感じで、ホットな気持ちをもたれているように見えましたが、三々五々集まられました。9ペアのうち、一組少し遅くなり、午後1時40分にプログラムは再開しました.3つのペアが集まり、6人組を作り、お互いにパートナーを紹介する形で、ハイポイントインタビューの体験のわかちあいをしました。とってもにこやかな感じで、それぞれの紹介が進みました.その話し合いは、35分ぐらいかかったでしょうか?詳しい記録は、実は、今回私を御呼びいただいた研修の担当の方(教育ファシリテーション修了生)がとられていましたので、きっとどこかでもっと詳しい報告がされるかもしれません。
わかちあい後、全体でのシェアということで、インタビューをさせていただきました。たくさんの参加者の方から、実に様々な気づきや発見をお聴きすることができました。そして、最後に、全体の中で、あるメンバーのハイポイントな体験を紹介していただきました.そのストーリーは、とても心温まる、また子どもの学びを支えるスタッフのあたたかい視線や関わり、また子どもと保護者の方と3人でのかかわりの大切さを感じさせてくれるお話でした.時間はすでに、午後2時30分ぐらいになっていました。
その後、休憩を挟まず、ポジティブ・コアの探求に入りました.KEEP協会でのミーティングでも実施しましたが、模造紙に木の絵を描いておき、その木の根元に、付箋にポジティブ・コアを書き、少し整理する形で貼り出し、発表をしていただきました。3つのグループのポジティブ・コアが発表されましたが、それぞれ大切なこと、またそれらの中で共通のポジティブ・コアなども感じることができたのではないでしょうか。

15時から10分ほど休憩をとり、DREAMのステージに入りました.ポジティブ・コアを最大限に発揮し実現した将来、ハイポイント・インタビューで最後に語り合った想像を超えた将来の姿などを語り合いながら、未来の姿を模造紙の上に表現してもらいました.10分ほど話し合った後に、40分ほど時間をとり、午後4時頃から将来を紹介し合うことにしました.実際には、全体に早くできたので、午後4時少し前から発表をしていただきました。そして、それぞれの発表を聴いて、共通しているテーマを拾いだす時間をとり、その共通のテーマとして、5つのことが報告されました。もう、この時には、午後4時15分。残された時間は45分ということで、5分ほどの短い休憩をとり、次のステージへ。




午後4時20分に、共通のテーマに向かって、今私たち(参加者)が、誇りに思う行動(今やっていること)と申し訳ないと思う行動(やれていない行動)を、個人でリストアップして、そして、グループでわかちあいながら、DREAM実現に向けて自分たちの行動でやってみたいことを、さらに書き出していただくことにしました。もう少し時間があれば、ここにいるメンバーでどんなことに取り組みたいかを吟味することができればよかったなと思っています。参加者の中には、やれていない行動、課題のところに焦点があたり、結局ここで課題をあげて、これまでではないかといった気持ちをもたれた方もいました。きっと、私の進め方の問題だろうと思います。まだまだ学びを深めていかなければと、学びへの意欲を強く感じさせていただけました。

最後に、大きな輪になって、18人の参加者と社長さんもご一緒してくださっていましたので、今日の一日の研修の体験と私の課題を伝え合って、一日のプログラムを終えることになりました。いずれの方々も、Laboを発展させていたという強い思いを持ちながらの参加であることは強く感じることができました。そして、今回のこのAIアプローチへの関心は強くもっていただき、翌日(本日、8月30日)開催の会議でも生かしたいという声を聴かせてくださったことはとても私もAIアプローチを今後の実践に向けて励みになりました。
参加してくださった一人ひとりにとっても、それぞれのなりにインパクトのなる学びになったものと思います。ハイポイント・インタビューで自分のことをこんなに語ることができた体験そのものであったり、未来を語ることお互いの方向性を確認することができたことであったり、仲間となんとなく同じかなと思っていたことが言葉で共有できたことであったり、自分のやること・やりたいことが見つかったことであったり、このままこれまでと同じようにとどまっているのではなくあきらめず進もうという意思であったり、と。全員が輪の中で語っていただいたこと、一つ一つ実現されることを強く願っています。
その後、今回の研修の声かけをしてくださったスタッフの方など数名の方と夕食を誘っていただき、おいしいお料理とお酒をいただきながら、とても楽しいひとときを過ごさせていただきました.
これまでのAIアプローチの実践の中から、私自身のこれからの課題(もっと深く知りたいこと&そのことを探求できる方法も習得したいと思うこと)がいくつかあります。
☆ポジティブ・コアの探求をどのようにするか?もっと根本的には、私自身がポジティブ・コアをもう少し深く理解する必要があること。そして、それを模造にただ描くだけでなく、参加者でもっと探求する時間を創り出すことがあるかもしれない。ここのエネルギーが強く高まらないと、次のステージのDREAMがさらにすてきな夢に展開しずらいかもしれないなどと考えています。ポジティブ・コアのマッピングをじっくりメンバーがするとか、もしくはポジティブ・コアを探求し表現をもってクリエイティブなものにするなど、まだまだ工夫がありそうです。
☆DREAMのステージでの、時間配分もなかなか難しいところがあります。あるところで、模造紙に未来を描いてもらう際に、すぐに活動に入り、話し合いがあまりされなかったので、今回は10分ほど話し合いの時間をとりました。このことは、未来を想像・創造するために、とても有効であったと感じています。制作の時間は、今回40分とりましたが、話し合いの時間も含めて40分でよかったかもしれません。このことは、松瀬さんとご一緒させていただいた時も、比較的短い時間お中で時間のプレッシャーを感じながらやりきることの大切さも話されていたように思います。
☆DESIGNのステージも、もう少しゆっくり時間をとることは大切なのでしょう。今回は、とにかく、一日の中で、できる限り、多くのステージを体験していただこうということで、豊富なプログラムになりました。夢・未来をしっかり味わいそちらに向かう気持ちを強く持ち、そしてプラウド&ソーリーを実施して、何をするかということをじっくりと考えることができるとよかったかもしれません。ただ、今回のように管理職の方々だけ集まった時に、なにを持ち帰るかといったことも、どこか焦点づけることも必要であろうと思います。ホールシステムとして、組織のすべての人びとが集まってのAIアプローチと、管理職の人びとの集まりにおけるAIアプローチと、私自身がさらに探究心旺盛にそれぞれのニーズを理解しながら、展開する力を身につけなければいけないのだろうと思います。
☆それと、大きな要素は、やっぱり時間が必要だろうと考えます。それぞれの体験が熟す時間と言ってもいいかもしれません。参加者の方も、話されていました.一つ一つのステージを着実に実感する時間であったり、場合によっては、ハイポイント・インタビューはとてもインンパクとのある体験ができる時ではありますが、後どこか一つのステージをじっくり味わう時間が必要であったりするかもしれません.
できれば、今回チャンスをいただいたLabp Partyの拠点ごとに、組織をあげて(非常勤職員から管理の職員、チューターなども含めて)AIアプローチを実施しようという高まりが起こったなら、ぜひお手伝いをしたいものです。ホールシステムの中で、どのように未来を描き、一人ひとりがそこに向かう行動が起こせるのか?そして、組織が生き生きし、子どもたちがさらに生き生きする社会が生まれる.こんなポジティブ・チェンジのお手伝いができたなら最高です。
今年の1月に、KEEP協会の環境事業部で、新年ミーティングをAIアプローチで実施させていただきました.その経験からも、ますますAIアプローチには魅力を感じています。
そして、今回、
2012年8月29日(水)午前11時より、午後5時過ぎまで、6時間ほどの研修、もしくはミーティングをファシリテーターとして実施してきました.全国のラボ教育センターのラボパーティに関わる人たち(管理職)18名の方々が参加者でした.
大まかな流れを、私自身の記録のためにもブログに残しておきます。
午前11時に会場(芸能花伝舎)に集まり、スタートをしました.まず、簡単な自己紹介を終え、AIアプローチの紹介を30分ほどさせていただきました.
人や集団、組織がどのような意識をもつかで行動やアウトプットが変わってくるという話から始まり、AIアプローチとは何かのお話、そして、その誕生、ギャップアプローチとポジティブアプローチの違い、簡単に4Dサイクルの話をして、今日一日のスケジュール(予定)お伝えして、11時35分ぐらいになったでしょうか?
その後、まずDISCOVERYのステージで、ハイポイントインタビューの説明をして、トランプを使って偶然に出会ったペアを作り、11時40分から午後1時30分まで、そのペアで昼食もとり、インタビューもゆったりとしてきていただくことにしました.

午後1時30分頃には、参加者のみなさん、顔は晴れやかな感じで、ホットな気持ちをもたれているように見えましたが、三々五々集まられました。9ペアのうち、一組少し遅くなり、午後1時40分にプログラムは再開しました.3つのペアが集まり、6人組を作り、お互いにパートナーを紹介する形で、ハイポイントインタビューの体験のわかちあいをしました。とってもにこやかな感じで、それぞれの紹介が進みました.その話し合いは、35分ぐらいかかったでしょうか?詳しい記録は、実は、今回私を御呼びいただいた研修の担当の方(教育ファシリテーション修了生)がとられていましたので、きっとどこかでもっと詳しい報告がされるかもしれません。
わかちあい後、全体でのシェアということで、インタビューをさせていただきました。たくさんの参加者の方から、実に様々な気づきや発見をお聴きすることができました。そして、最後に、全体の中で、あるメンバーのハイポイントな体験を紹介していただきました.そのストーリーは、とても心温まる、また子どもの学びを支えるスタッフのあたたかい視線や関わり、また子どもと保護者の方と3人でのかかわりの大切さを感じさせてくれるお話でした.時間はすでに、午後2時30分ぐらいになっていました。
その後、休憩を挟まず、ポジティブ・コアの探求に入りました.KEEP協会でのミーティングでも実施しましたが、模造紙に木の絵を描いておき、その木の根元に、付箋にポジティブ・コアを書き、少し整理する形で貼り出し、発表をしていただきました。3つのグループのポジティブ・コアが発表されましたが、それぞれ大切なこと、またそれらの中で共通のポジティブ・コアなども感じることができたのではないでしょうか。

15時から10分ほど休憩をとり、DREAMのステージに入りました.ポジティブ・コアを最大限に発揮し実現した将来、ハイポイント・インタビューで最後に語り合った想像を超えた将来の姿などを語り合いながら、未来の姿を模造紙の上に表現してもらいました.10分ほど話し合った後に、40分ほど時間をとり、午後4時頃から将来を紹介し合うことにしました.実際には、全体に早くできたので、午後4時少し前から発表をしていただきました。そして、それぞれの発表を聴いて、共通しているテーマを拾いだす時間をとり、その共通のテーマとして、5つのことが報告されました。もう、この時には、午後4時15分。残された時間は45分ということで、5分ほどの短い休憩をとり、次のステージへ。
午後4時20分に、共通のテーマに向かって、今私たち(参加者)が、誇りに思う行動(今やっていること)と申し訳ないと思う行動(やれていない行動)を、個人でリストアップして、そして、グループでわかちあいながら、DREAM実現に向けて自分たちの行動でやってみたいことを、さらに書き出していただくことにしました。もう少し時間があれば、ここにいるメンバーでどんなことに取り組みたいかを吟味することができればよかったなと思っています。参加者の中には、やれていない行動、課題のところに焦点があたり、結局ここで課題をあげて、これまでではないかといった気持ちをもたれた方もいました。きっと、私の進め方の問題だろうと思います。まだまだ学びを深めていかなければと、学びへの意欲を強く感じさせていただけました。
最後に、大きな輪になって、18人の参加者と社長さんもご一緒してくださっていましたので、今日の一日の研修の体験と私の課題を伝え合って、一日のプログラムを終えることになりました。いずれの方々も、Laboを発展させていたという強い思いを持ちながらの参加であることは強く感じることができました。そして、今回のこのAIアプローチへの関心は強くもっていただき、翌日(本日、8月30日)開催の会議でも生かしたいという声を聴かせてくださったことはとても私もAIアプローチを今後の実践に向けて励みになりました。
参加してくださった一人ひとりにとっても、それぞれのなりにインパクトのなる学びになったものと思います。ハイポイント・インタビューで自分のことをこんなに語ることができた体験そのものであったり、未来を語ることお互いの方向性を確認することができたことであったり、仲間となんとなく同じかなと思っていたことが言葉で共有できたことであったり、自分のやること・やりたいことが見つかったことであったり、このままこれまでと同じようにとどまっているのではなくあきらめず進もうという意思であったり、と。全員が輪の中で語っていただいたこと、一つ一つ実現されることを強く願っています。
その後、今回の研修の声かけをしてくださったスタッフの方など数名の方と夕食を誘っていただき、おいしいお料理とお酒をいただきながら、とても楽しいひとときを過ごさせていただきました.
これまでのAIアプローチの実践の中から、私自身のこれからの課題(もっと深く知りたいこと&そのことを探求できる方法も習得したいと思うこと)がいくつかあります。
☆ポジティブ・コアの探求をどのようにするか?もっと根本的には、私自身がポジティブ・コアをもう少し深く理解する必要があること。そして、それを模造にただ描くだけでなく、参加者でもっと探求する時間を創り出すことがあるかもしれない。ここのエネルギーが強く高まらないと、次のステージのDREAMがさらにすてきな夢に展開しずらいかもしれないなどと考えています。ポジティブ・コアのマッピングをじっくりメンバーがするとか、もしくはポジティブ・コアを探求し表現をもってクリエイティブなものにするなど、まだまだ工夫がありそうです。
☆DREAMのステージでの、時間配分もなかなか難しいところがあります。あるところで、模造紙に未来を描いてもらう際に、すぐに活動に入り、話し合いがあまりされなかったので、今回は10分ほど話し合いの時間をとりました。このことは、未来を想像・創造するために、とても有効であったと感じています。制作の時間は、今回40分とりましたが、話し合いの時間も含めて40分でよかったかもしれません。このことは、松瀬さんとご一緒させていただいた時も、比較的短い時間お中で時間のプレッシャーを感じながらやりきることの大切さも話されていたように思います。
☆DESIGNのステージも、もう少しゆっくり時間をとることは大切なのでしょう。今回は、とにかく、一日の中で、できる限り、多くのステージを体験していただこうということで、豊富なプログラムになりました。夢・未来をしっかり味わいそちらに向かう気持ちを強く持ち、そしてプラウド&ソーリーを実施して、何をするかということをじっくりと考えることができるとよかったかもしれません。ただ、今回のように管理職の方々だけ集まった時に、なにを持ち帰るかといったことも、どこか焦点づけることも必要であろうと思います。ホールシステムとして、組織のすべての人びとが集まってのAIアプローチと、管理職の人びとの集まりにおけるAIアプローチと、私自身がさらに探究心旺盛にそれぞれのニーズを理解しながら、展開する力を身につけなければいけないのだろうと思います。
☆それと、大きな要素は、やっぱり時間が必要だろうと考えます。それぞれの体験が熟す時間と言ってもいいかもしれません。参加者の方も、話されていました.一つ一つのステージを着実に実感する時間であったり、場合によっては、ハイポイント・インタビューはとてもインンパクとのある体験ができる時ではありますが、後どこか一つのステージをじっくり味わう時間が必要であったりするかもしれません.
できれば、今回チャンスをいただいたLabp Partyの拠点ごとに、組織をあげて(非常勤職員から管理の職員、チューターなども含めて)AIアプローチを実施しようという高まりが起こったなら、ぜひお手伝いをしたいものです。ホールシステムの中で、どのように未来を描き、一人ひとりがそこに向かう行動が起こせるのか?そして、組織が生き生きし、子どもたちがさらに生き生きする社会が生まれる.こんなポジティブ・チェンジのお手伝いができたなら最高です。
2012年01月13日
清里KEEP協会環境教育事業部にてAIアプローチによる2012新年ミーティングのファシリテーションをしてきました
5年ほど前に、AIアプローチに出会いました。とてもインパクトのある、というか、とても私にとってはすっと入りやすい、また受け容れてもらいやすいNTLにおけるワークショップ体験が初めてでした。
それから、5年。昨年の夏、松瀬理保さんを南山大学人間文化研究科教育ファシリテーション専攻の集中講義でお招きして、AIアプローチを一人の学生として学ぶ機会を得ることができました。それ以来、AIアプローチの虜になったと言ってもいい状態です。
いくつかの研修では、AIアプローチのハイポイントインタビューをプログラムに取り入れないですか?とお勧めをしてきたのですが、なかなか実現できずにいました。
そこで、今回は、KEEP協会環境教育事業部の協力を得て、AIアプローチによる新年ミーティングを実施することができました。アシスタント&記録係として、JIEL研究員の水野節子さん、岡田衣津子さんが、参加してくださいました。詳細な記録は、どこかでご報告をしたいと思います。
ただ、本日、二日目のプログラムを終え、最後にエンディングサークルとして、ひと言ずつ今思っていることを語っていただきました。どの方の言葉もとても重みのある、そして、充実感を訴える、実施者としては、とても勇気をもらえるメッセージをいただきました。
おおまかな流れとしては、
初日(1月12日)は、午前9時30分からスタート。簡単な挨拶の後、今の気持をチェックイン。
その後は、60分ほどのAIアプローチについての導入レクチャーセッション。そして、ハイポイントインタビューに出かけました。これがなんと午前11時頃かラスターとして、午後1時30分まで、たっぷりとやっていただきました。
帰ってきてから、お互いにパートナーを紹介し、そして、全体でわかちあい。その後、ポジティブコアの探索を行い、DREAMのステージは、模造紙に実現したい・ありたい未来像をビジュアルに表現してもらいました。3つのグループの表現がいずれも興味深い表現になりました。発表後、付箋にメッセージ(コメント)を書いて、貼り付けて、DREAMセッションを終えました
最後に、スタンディングサークルで、今日一日の思いを伝え合い、午後5時過ぎに、一日のプログラムを終えました。
といっても、その後は、新年会の準備。津村もダッチオーブンを持ち込んでの、鶏肉、ウインナー、そしてキノコのスープづくり。KEEPのダニエルの多大なサポートを得ながら。賑やかな新年会、夕食会になりました。ギターも持ち込み、昨年の秋から、環境教育事業部のラビットと君でのYABUREKABUREの縁網も楽しみました。
翌朝の今朝、午前9時30分にスタート。チェックインから始まり、DESIGNのステージでは、「プラウド&ソーリー」の演習。実現した未来に対して、今行っている誇りの行動、申し訳なく思っている行動をリストアップしました。そして、DESTNYでは、OSTを用いて、アクションプランを作成しました。昼食を挟んで、ミーティングを行ってもらい、午後1時30分から発表。最後に、エンディングサークルで、2012新年ミーティングを終えました。
たくさんの感想・メッセージをもらいました。
・これまでの問題解決タイプのミーティングと違い、自分の内側からわき起こる新しい行動変革への力を感じることができた
・ポジティブな視点は、創り出すことができる
・プラウド&ソーリーでは、苦しかったけど、その中から、ポジティブな視点や行動計画を見つけることができた
などなど
本当に、充実した実り多い、ミーティングになりました。さらに、AIアプローチの可能性を感じることができたミーティングでした。
それから、5年。昨年の夏、松瀬理保さんを南山大学人間文化研究科教育ファシリテーション専攻の集中講義でお招きして、AIアプローチを一人の学生として学ぶ機会を得ることができました。それ以来、AIアプローチの虜になったと言ってもいい状態です。
いくつかの研修では、AIアプローチのハイポイントインタビューをプログラムに取り入れないですか?とお勧めをしてきたのですが、なかなか実現できずにいました。
そこで、今回は、KEEP協会環境教育事業部の協力を得て、AIアプローチによる新年ミーティングを実施することができました。アシスタント&記録係として、JIEL研究員の水野節子さん、岡田衣津子さんが、参加してくださいました。詳細な記録は、どこかでご報告をしたいと思います。
ただ、本日、二日目のプログラムを終え、最後にエンディングサークルとして、ひと言ずつ今思っていることを語っていただきました。どの方の言葉もとても重みのある、そして、充実感を訴える、実施者としては、とても勇気をもらえるメッセージをいただきました。
おおまかな流れとしては、
初日(1月12日)は、午前9時30分からスタート。簡単な挨拶の後、今の気持をチェックイン。
その後は、60分ほどのAIアプローチについての導入レクチャーセッション。そして、ハイポイントインタビューに出かけました。これがなんと午前11時頃かラスターとして、午後1時30分まで、たっぷりとやっていただきました。
帰ってきてから、お互いにパートナーを紹介し、そして、全体でわかちあい。その後、ポジティブコアの探索を行い、DREAMのステージは、模造紙に実現したい・ありたい未来像をビジュアルに表現してもらいました。3つのグループの表現がいずれも興味深い表現になりました。発表後、付箋にメッセージ(コメント)を書いて、貼り付けて、DREAMセッションを終えました
最後に、スタンディングサークルで、今日一日の思いを伝え合い、午後5時過ぎに、一日のプログラムを終えました。
といっても、その後は、新年会の準備。津村もダッチオーブンを持ち込んでの、鶏肉、ウインナー、そしてキノコのスープづくり。KEEPのダニエルの多大なサポートを得ながら。賑やかな新年会、夕食会になりました。ギターも持ち込み、昨年の秋から、環境教育事業部のラビットと君でのYABUREKABUREの縁網も楽しみました。
翌朝の今朝、午前9時30分にスタート。チェックインから始まり、DESIGNのステージでは、「プラウド&ソーリー」の演習。実現した未来に対して、今行っている誇りの行動、申し訳なく思っている行動をリストアップしました。そして、DESTNYでは、OSTを用いて、アクションプランを作成しました。昼食を挟んで、ミーティングを行ってもらい、午後1時30分から発表。最後に、エンディングサークルで、2012新年ミーティングを終えました。
たくさんの感想・メッセージをもらいました。
・これまでの問題解決タイプのミーティングと違い、自分の内側からわき起こる新しい行動変革への力を感じることができた
・ポジティブな視点は、創り出すことができる
・プラウド&ソーリーでは、苦しかったけど、その中から、ポジティブな視点や行動計画を見つけることができた
などなど
本当に、充実した実り多い、ミーティングになりました。さらに、AIアプローチの可能性を感じることができたミーティングでした。
2011年12月10日
今日は、人関センター定例研究会、そして夏の集中講義「AIアプローチ」のフォロアーアップミーティング
今日は、午前中、大学院教育ファシリテーション専攻の授業「体験学習ファシリテーション応用研究」の授業でした。
先日(12月2日)、名大付属高等学校でインド人の高校生と日本人の高校生との交流プログラムを受講生の大学院生がプログラムをデザインし、実施したふりかえりセッションを行いました。初めての授業での体験学習の挑戦でしたが、院生はなかなか高校生の動きを大切にしながら実践してくれたようです。
ホワイトボード一面に、私が前に立ち、体験したこと・気づいたことを書き出しました。先日の、ちょんせいこさんの「ホワイトボードミーティング」のワークショップへの参加が生きています。すべて書き出し後に、今回の学びとして、大切なこと、ポイントになることを抽出してもらい、それを赤のマーカーで書き記しました。
・通訳の人との前もっての打ち合わせの重要性
・課題を指示する際にいかに明確に指示するか?もしくは、不明確であって、その明瞭さをグループのメンバーで話し合うことで吟味し明確にしていく過程を大切にすることをねらいにしているかどうか?といった視点の大切さ
・実習前の課題のチェック:情報紙の記載のチェック、情報カードの確認など、基本的なことを怠らない。
・スタッフワークとして、いかに複数のスタッフが場に変化を作りながら、学びの場づくりをするか。
・体験/分かち合い後の全体のシェア、インタビューなどによるわかちあいの大切さ
・究極はやはり、ぷろぐらむのねらいがどれほど達成できたのか、途中も終業後もしっかりチェックすること
などが、赤のマーカーで、改めて重要な視点として記されました。
午後は、松瀬理保さんをお招きして、まずは、人関センター第2回定例研究会「ポジティブ・アプローチ(AI)の可能性について」と題して、松瀬さんのプレゼンテーションをもとに、学びました。30名あまりの参加者が体験を交えながらのAIアプローチの理解とその効果と可能性について話し合うことができました。
その後、夏の集中講義のフォローアップミーティングも行いました。
7人ほどの参加者がまず、夏から今までの自分の体験を伝えるチェックイン。その後、一人の参加者から、某大学の組織変革に関わるプレゼンテーションのお話を聞き、AIアプローチの可能性を強く感じることができました。
また、私からは、1月の中旬に某組織で行う予定のAIアプローチの2日間のプログラムデザインを、松瀬さんを中心に、参加の仲間の方々と一緒にクリティークしていただきながら、おおよそのめどを立てることができました。この22日に、先方の代表の方がお見えになって、打ち合わせがあります。今日の議論と、その打ち合わせをもとに、本番を迎えます。少しでも、先方の組織のひとり一人が未来を夢見て、主体的、自主的に仕事に取り組んでくださるようになることを願っています。
また、報告させていただきます。
先日(12月2日)、名大付属高等学校でインド人の高校生と日本人の高校生との交流プログラムを受講生の大学院生がプログラムをデザインし、実施したふりかえりセッションを行いました。初めての授業での体験学習の挑戦でしたが、院生はなかなか高校生の動きを大切にしながら実践してくれたようです。
ホワイトボード一面に、私が前に立ち、体験したこと・気づいたことを書き出しました。先日の、ちょんせいこさんの「ホワイトボードミーティング」のワークショップへの参加が生きています。すべて書き出し後に、今回の学びとして、大切なこと、ポイントになることを抽出してもらい、それを赤のマーカーで書き記しました。
・通訳の人との前もっての打ち合わせの重要性
・課題を指示する際にいかに明確に指示するか?もしくは、不明確であって、その明瞭さをグループのメンバーで話し合うことで吟味し明確にしていく過程を大切にすることをねらいにしているかどうか?といった視点の大切さ
・実習前の課題のチェック:情報紙の記載のチェック、情報カードの確認など、基本的なことを怠らない。
・スタッフワークとして、いかに複数のスタッフが場に変化を作りながら、学びの場づくりをするか。
・体験/分かち合い後の全体のシェア、インタビューなどによるわかちあいの大切さ
・究極はやはり、ぷろぐらむのねらいがどれほど達成できたのか、途中も終業後もしっかりチェックすること
などが、赤のマーカーで、改めて重要な視点として記されました。
午後は、松瀬理保さんをお招きして、まずは、人関センター第2回定例研究会「ポジティブ・アプローチ(AI)の可能性について」と題して、松瀬さんのプレゼンテーションをもとに、学びました。30名あまりの参加者が体験を交えながらのAIアプローチの理解とその効果と可能性について話し合うことができました。
その後、夏の集中講義のフォローアップミーティングも行いました。
7人ほどの参加者がまず、夏から今までの自分の体験を伝えるチェックイン。その後、一人の参加者から、某大学の組織変革に関わるプレゼンテーションのお話を聞き、AIアプローチの可能性を強く感じることができました。
また、私からは、1月の中旬に某組織で行う予定のAIアプローチの2日間のプログラムデザインを、松瀬さんを中心に、参加の仲間の方々と一緒にクリティークしていただきながら、おおよそのめどを立てることができました。この22日に、先方の代表の方がお見えになって、打ち合わせがあります。今日の議論と、その打ち合わせをもとに、本番を迎えます。少しでも、先方の組織のひとり一人が未来を夢見て、主体的、自主的に仕事に取り組んでくださるようになることを願っています。
また、報告させていただきます。
2011年11月06日
この一週間、HCCにこもりながら原稿を書いていたものの・・
とにかく、この一週間は、年度内に出版を考えている「プロセスエデュケーション」の原稿書きを完成させなくてはと思いながら、過ごしていました。
といっても、次々、紹介したい項目が増え、どのようにまとまっていくのか、まだまだ未知数です。その中でも、特にAIアプローチに関する記事は載せたいと強く思うようになり、いくつかの出版物を読みながら、AIの基本的な考え方の整理にかなり時間を費やしました。
その中でも、次の5つの核となる原理は、紹介しなければならないと思い、次のような原稿を書き上げました
一足先に、ご紹介をします。
==========
AIには、5つの核となる原理があります(Watkins, J.M. & Mohr, B.J. 2001, Cooperrider, D.L., Whitney, D. & Stavros, J.M. 2008)。
@構築主義原理(The Constructionist Principle)
この原理では、組織の知識とその組織のありようは、互いに関連し合い織りなされていると考えています。問いかけることは,組織の将来を生まれさせ、構築させる道具になると考えられます。この原理から、組織をどのように認識するかによってその組織のありようが決定されていくと考えられます。それゆえ、リーダーや変革推進者(change agent)は、組織は生きており人間によって創り出されているとして、組織を読み解き理解し分析し、働きかけていくことがとても重要になります。
A 同時性の原理(The Principle of Simultaneity)
この原理では、問いかけと変化は別々に起こるのではなく、同時に起こると考えられます。問いかけは介入そのものなのです。人々が考えたり話したりしていることであったり、人々が発見したり学んだりしていることであったり、人々が将来のイメージについて対話したり想像したりしていることが変化の源になり起こるのです。その意味では、最初の問いかけがとても大切であり、その問いによって見いだされたものや発見されたことがストーリーとなって実現し展開されていくのです。
B 予期の原理(The Anticipatory Principle)
AIアプローチでは、建設的な組織変革や改善のための重要なリソースは、将来についてのイメージや日常の会話にあると考えています。この原理では、将来のイメージが組織の中のメンバーの現在の行動を引き起こすと考えられています。映画がスクリーンに映し出されるように、人々が生きる組織では、彼らの期待が映し出されていると考えられています。それ故、組織で働く人々が組織をどのように考え、組織はどのように機能し、どこに到達しようとしているか、どんなふうになりたいと考えているかといった期待(予期)が重要になるのです。
C 詩的原理(The Poetic Principle)
この原理を理解するために、人間が生きている組織とは「本を開く」ようなもの、といった隠喩が使われることがあります。組織のストーリーは絶えず、そこにいるメンバーが本の共著者となって描き綴っていると考えられます。過去、現在、未来に至るまでも、その組織で学んだり思いついたり解釈したりしていることをメンバー自身が描き続けているのです。よって、問いかけによって、ネガティブなものに光を当てるのか、ポジティブな変革に光をあてるのかで、組織のストーリーは変わってくるのです。
D ポジティブ原理(The Positive Principle)
この原理は、より具体的であり、AIの実践を通してこの原理に確信を強くもつようになってきていると述べられています(Cooperrider, D.L., Whitney, D. & Stavros, J.M. 2008)。ポジティブな気持ちや社会的なつながり、希望をもつといった態度、そしてひらめきや他者とともに何かを創り出す純粋な喜びなどのポジティブさは、変革のための推進力として大切になります。よりポジティブな問いかけが組織やグループに与えられるほど、より長期的で効果的な変化を生み出すことになります。
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以上の原理をもとに、5つのDを紹介する予定です。こちらは近々、アップします。
こうした原稿書きと同時に、NTLのメンバーになるためのレジュメとアプライのための書類作成に追われています。といっても、こちらは、卒業生の力も借りて、明日/明後日中に完成し、Dr.Robert J. Marshack氏に、書類を送らなければなりません。無事に、受理してもらえるといいのですが、こちらも明日が山場です。
とにかく、少しは、楽になることを考えながら、まだまだ苦行の日々が続く毎日です。
といっても、次々、紹介したい項目が増え、どのようにまとまっていくのか、まだまだ未知数です。その中でも、特にAIアプローチに関する記事は載せたいと強く思うようになり、いくつかの出版物を読みながら、AIの基本的な考え方の整理にかなり時間を費やしました。
その中でも、次の5つの核となる原理は、紹介しなければならないと思い、次のような原稿を書き上げました
一足先に、ご紹介をします。
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AIには、5つの核となる原理があります(Watkins, J.M. & Mohr, B.J. 2001, Cooperrider, D.L., Whitney, D. & Stavros, J.M. 2008)。
@構築主義原理(The Constructionist Principle)
この原理では、組織の知識とその組織のありようは、互いに関連し合い織りなされていると考えています。問いかけることは,組織の将来を生まれさせ、構築させる道具になると考えられます。この原理から、組織をどのように認識するかによってその組織のありようが決定されていくと考えられます。それゆえ、リーダーや変革推進者(change agent)は、組織は生きており人間によって創り出されているとして、組織を読み解き理解し分析し、働きかけていくことがとても重要になります。
A 同時性の原理(The Principle of Simultaneity)
この原理では、問いかけと変化は別々に起こるのではなく、同時に起こると考えられます。問いかけは介入そのものなのです。人々が考えたり話したりしていることであったり、人々が発見したり学んだりしていることであったり、人々が将来のイメージについて対話したり想像したりしていることが変化の源になり起こるのです。その意味では、最初の問いかけがとても大切であり、その問いによって見いだされたものや発見されたことがストーリーとなって実現し展開されていくのです。
B 予期の原理(The Anticipatory Principle)
AIアプローチでは、建設的な組織変革や改善のための重要なリソースは、将来についてのイメージや日常の会話にあると考えています。この原理では、将来のイメージが組織の中のメンバーの現在の行動を引き起こすと考えられています。映画がスクリーンに映し出されるように、人々が生きる組織では、彼らの期待が映し出されていると考えられています。それ故、組織で働く人々が組織をどのように考え、組織はどのように機能し、どこに到達しようとしているか、どんなふうになりたいと考えているかといった期待(予期)が重要になるのです。
C 詩的原理(The Poetic Principle)
この原理を理解するために、人間が生きている組織とは「本を開く」ようなもの、といった隠喩が使われることがあります。組織のストーリーは絶えず、そこにいるメンバーが本の共著者となって描き綴っていると考えられます。過去、現在、未来に至るまでも、その組織で学んだり思いついたり解釈したりしていることをメンバー自身が描き続けているのです。よって、問いかけによって、ネガティブなものに光を当てるのか、ポジティブな変革に光をあてるのかで、組織のストーリーは変わってくるのです。
D ポジティブ原理(The Positive Principle)
この原理は、より具体的であり、AIの実践を通してこの原理に確信を強くもつようになってきていると述べられています(Cooperrider, D.L., Whitney, D. & Stavros, J.M. 2008)。ポジティブな気持ちや社会的なつながり、希望をもつといった態度、そしてひらめきや他者とともに何かを創り出す純粋な喜びなどのポジティブさは、変革のための推進力として大切になります。よりポジティブな問いかけが組織やグループに与えられるほど、より長期的で効果的な変化を生み出すことになります。
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以上の原理をもとに、5つのDを紹介する予定です。こちらは近々、アップします。
こうした原稿書きと同時に、NTLのメンバーになるためのレジュメとアプライのための書類作成に追われています。といっても、こちらは、卒業生の力も借りて、明日/明後日中に完成し、Dr.Robert J. Marshack氏に、書類を送らなければなりません。無事に、受理してもらえるといいのですが、こちらも明日が山場です。
とにかく、少しは、楽になることを考えながら、まだまだ苦行の日々が続く毎日です。
2011年09月16日
AIアプローチ受講後の今・・
この夏(8月)、南山大学大学院人間文化研究科教育ファシリテーション専攻の集中講義に一メンバーとして参加させてもらいました。その様子は、過去のブログにも掲載しています。
そして、この9月に入ってからの、学生とともに過ごす合宿の中で、AIアプローチの影響を感じることがあったので、受講者の方々とともに創っているメイリングリストで下記のような報告をしました。このブログにも、掲載しておきます。
==========
9月6日から12日まで、長野県おんたけ休暇村にて、人間関係トレーニング(Tグループ)に参加してきました。
私のグループは、トレーナーとして、受講者の一人であった杉山さんと二人でした。メンバーは、学生8名(男子1名)の合計10名の構成でした。
にんげん関係トレーニングの最初に、津村のねらいとして「良さ(ポジティブなところ)に光をあてる」「楽しむ」「自由になる」というのを立てて、メンバーと13セッションのTグループと全体会
などを楽しんできました。
全体の場で、みなさんにもお伝えしましたが、メンバーの問題に光を当てるのではなく、メンバーの行為を肯定することに着目する働きかけに少しずつですが、近づきつつあるかなといった感触を得ることができました。これも、メンバーとコトレーナーの杉山さんのおかげです。
そして、12日に名古屋に帰り、13日から休暇村は休暇村でも、伊良湖に移り、学部の「ファシリテーション研究ゼミ」合宿に昨日(16日)まで出かけてきました。
こちらは、12月3日・4日に開催される日本体験学習研究会全国大会のエクササイズセッションで発表する学生企画の教育プログラム(実習)の作成が大きな課題でした。三日間使って、1時間を12セッション(メンバーがファシリテーター役を担いながら)使って、ミーティングを重ね、発表の要旨が作成できるレベルまでがんばりました。大したものです。
その合宿の中でも、2日目の2つのセッション終了後、午前11時頃から、AIアプローチ、といっても、ギャップアプローチとポジティブアプローチのお話を簡単にしてから、ハイポイントインタビューをシートをもとにペア5組で行ってもらいました。30分を2つ、70分ほどの時間を使って。私たちが習ったスタイルを基本的にそのまま使ってみました。
12時40分頃に、全体会ミーティング室に戻ってきましたが、なかなかいい表情で帰ってきてくれました。分かち合いは、パートナーを紹介する形で行い、全体で、簡単なシェアをしました。
・テンションがあがった。
・おもしろかった。
・私も、高校時代あんなにがんばっていたんだと思い出した。
・相手に話していると、だんだん楽しくなってきて、興奮してきた
など、ポジティブな感想をもらいました。
最後に、AIアプローチの5つの原理を、模造紙に書き出し、簡単に紹介して終了しました。その後の、ミーティングでも活気が生まれ、また実習の内容にも盛り込みたいとの意見が出されるなど、たくさんの学びを得ることができました。
簡単ですが、学びと実践の共有ということでご報告しておきます。
==========
といったメッセージをAIアプローチを学んだ仲間たちに送りました。
これからも、まだまだAIアプローチの可能性を探っていきたいと考えています。
そして、この9月に入ってからの、学生とともに過ごす合宿の中で、AIアプローチの影響を感じることがあったので、受講者の方々とともに創っているメイリングリストで下記のような報告をしました。このブログにも、掲載しておきます。
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9月6日から12日まで、長野県おんたけ休暇村にて、人間関係トレーニング(Tグループ)に参加してきました。
私のグループは、トレーナーとして、受講者の一人であった杉山さんと二人でした。メンバーは、学生8名(男子1名)の合計10名の構成でした。
にんげん関係トレーニングの最初に、津村のねらいとして「良さ(ポジティブなところ)に光をあてる」「楽しむ」「自由になる」というのを立てて、メンバーと13セッションのTグループと全体会
などを楽しんできました。
全体の場で、みなさんにもお伝えしましたが、メンバーの問題に光を当てるのではなく、メンバーの行為を肯定することに着目する働きかけに少しずつですが、近づきつつあるかなといった感触を得ることができました。これも、メンバーとコトレーナーの杉山さんのおかげです。
そして、12日に名古屋に帰り、13日から休暇村は休暇村でも、伊良湖に移り、学部の「ファシリテーション研究ゼミ」合宿に昨日(16日)まで出かけてきました。
こちらは、12月3日・4日に開催される日本体験学習研究会全国大会のエクササイズセッションで発表する学生企画の教育プログラム(実習)の作成が大きな課題でした。三日間使って、1時間を12セッション(メンバーがファシリテーター役を担いながら)使って、ミーティングを重ね、発表の要旨が作成できるレベルまでがんばりました。大したものです。
その合宿の中でも、2日目の2つのセッション終了後、午前11時頃から、AIアプローチ、といっても、ギャップアプローチとポジティブアプローチのお話を簡単にしてから、ハイポイントインタビューをシートをもとにペア5組で行ってもらいました。30分を2つ、70分ほどの時間を使って。私たちが習ったスタイルを基本的にそのまま使ってみました。
12時40分頃に、全体会ミーティング室に戻ってきましたが、なかなかいい表情で帰ってきてくれました。分かち合いは、パートナーを紹介する形で行い、全体で、簡単なシェアをしました。
・テンションがあがった。
・おもしろかった。
・私も、高校時代あんなにがんばっていたんだと思い出した。
・相手に話していると、だんだん楽しくなってきて、興奮してきた
など、ポジティブな感想をもらいました。
最後に、AIアプローチの5つの原理を、模造紙に書き出し、簡単に紹介して終了しました。その後の、ミーティングでも活気が生まれ、また実習の内容にも盛り込みたいとの意見が出されるなど、たくさんの学びを得ることができました。
簡単ですが、学びと実践の共有ということでご報告しておきます。
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といったメッセージをAIアプローチを学んだ仲間たちに送りました。
これからも、まだまだAIアプローチの可能性を探っていきたいと考えています。
2011年08月28日
集中授業「AIアプローチ」を学ぶ!はじめの一歩!
8月6日(土)7日(日)そして、27日(土)28日(日)と、南山大学大学院人間文化研究科教育ファシリテーション専攻の集中授業「ファシリテーション研究(グループレベル)」として「AIアプローチ」の授業が行われました。
この私も、どっぷり、一人の学習者としてその授業に参加しました。
2006年に、NTL主催の研修でAIアプローチによる体研学習の設計を考えるワークショップに参加してから、すごく関心をもちながらも、充分に学ぶ機会がなく過ぎてきていたことから、今回の集中授業はずいぶん期待をしていました。
担当者として、松瀬理保さんに来ていただき、すごく実践者の立場から、またクーパーライダーさんの元で、大学院で学ばれた、重要なAIアプローチのエッセンスを伝えていただきました。
私自身、もやもやしていたところがずいぶん明確になり、これからさらなる展開をしていきたいと思えるようになりました。
特に、AIアプローチでは、対話(dialogue)がとても重要で、自分のストーリーを語ること、それを聞くことから、一人一人のハイポイントな体験を分かち合うこと。さらに、その最高の体験を生み出す源(ポジディブコア)を見つけ出すこと:DISCOVERYのステージの大切さを実感として理科椅子頃ができました。
そして、お互いの強みを活かして夢{DREAM)を創り出すこと。それも、対話の中から創造していくということの大切さを学びました。
その後、その夢を実現するためのデザイン(DESIGN)をすること。そして、そのことを実行するためのプロジェクトを創り、自己組織化する活動に展開すること(DESTINY)まで、説明と体験と織り交ぜながら、学ぶことができました。
そこにある価値観、特徴は、さまざまな領域での活動に活かされるだろうと思います。
津村は、まずは、「ファシリテーション研究ゼミ」の活動に、そして、9月の初旬にあるTグループの活動に、そして、できれば、学校教育現場の組織変革に活用したいと考えています。
今日から、カテゴリに、「AIアプローチ」を追加しました。このカテゴリのメッセージも、このブログで数多く紹介できることを願っています。
この私も、どっぷり、一人の学習者としてその授業に参加しました。
2006年に、NTL主催の研修でAIアプローチによる体研学習の設計を考えるワークショップに参加してから、すごく関心をもちながらも、充分に学ぶ機会がなく過ぎてきていたことから、今回の集中授業はずいぶん期待をしていました。
担当者として、松瀬理保さんに来ていただき、すごく実践者の立場から、またクーパーライダーさんの元で、大学院で学ばれた、重要なAIアプローチのエッセンスを伝えていただきました。
私自身、もやもやしていたところがずいぶん明確になり、これからさらなる展開をしていきたいと思えるようになりました。
特に、AIアプローチでは、対話(dialogue)がとても重要で、自分のストーリーを語ること、それを聞くことから、一人一人のハイポイントな体験を分かち合うこと。さらに、その最高の体験を生み出す源(ポジディブコア)を見つけ出すこと:DISCOVERYのステージの大切さを実感として理科椅子頃ができました。
そして、お互いの強みを活かして夢{DREAM)を創り出すこと。それも、対話の中から創造していくということの大切さを学びました。
その後、その夢を実現するためのデザイン(DESIGN)をすること。そして、そのことを実行するためのプロジェクトを創り、自己組織化する活動に展開すること(DESTINY)まで、説明と体験と織り交ぜながら、学ぶことができました。
そこにある価値観、特徴は、さまざまな領域での活動に活かされるだろうと思います。
津村は、まずは、「ファシリテーション研究ゼミ」の活動に、そして、9月の初旬にあるTグループの活動に、そして、できれば、学校教育現場の組織変革に活用したいと考えています。
今日から、カテゴリに、「AIアプローチ」を追加しました。このカテゴリのメッセージも、このブログで数多く紹介できることを願っています。