2015年01月28日

そば打ちから学ぶ:ファシリテーターの介入の心得

 自分で打ったそばほど、うまいものはない!

 南短人間関係科時代には、新入生のオリエンテーション合宿として毎年4月頃に3泊4日のオープニング合宿を信州新町左右高原に出かけていました。4〜5軒に分宿していましたが、その中の1軒の民宿「つつみ荘」のおばあちゃんから直伝のそば打ちを教えてもらいました。その後も、名古屋の自宅に帰ってもそば打ちを楽しんでいます。そこで、皆様方にも、そのレシピとそば打ちから学ぶ体験学習のファシリテーター観なる雑感を載せておきたいと思います。
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 レシピ:
   ●そば粉:350g
   ●強力粉:150g
   ●水:125g
   ●お湯:125g

1.大きなボールに以上の4点を入れます。
  といっても、そば粉と強力粉は混ぜて一緒に、水とお湯はゆっくりと少しずつ。

2.そして、しっかり練り上げます。最後の練り上げるところが一つの勝負どころ。
  丹念に練り上げること。そして、まーるい形にします。

3.のし板にのせて、練り上げたそばを打っていきます。
  四角く打つ・まあるく打つ、ながーく打つなど、どうもこの打ち方にはいろいろあるようです。
  のし棒も、1本を使う方法から、2本、3本、4本とこれまたさまざまです。
  また、研究成果は、ボチボチアップしていきます。とにかく、ひらっべったくして、折り畳みます。

4.あとは、お好みの太さに切っていけば、OKです。

5.湯がくのは、できる限り大きなお鍋を使い、お湯をたっぷり沸かせることがコツです。
  沸騰しているお湯に、先ほど打ったそばを入れます。

6.そして、沸き上がるのを待ってから、水を適当量差します。

7.もう一度、沸き上がってきたら、ざるにとってしっかりと水にさらします。
  このとき、そばをもむ(洗う)ように水で流し、そばのぬめりをとってやることも忘れないでください。

8.あとは、ねぎやわさびを加えて、つけ汁につけて、お召し上がりください。
  きっときっとおいしくいただけるはずです!

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そば打ちから学ぶファシリテーターの介入の心得

一.ひいいたばかりのそば粉が最高、質のいい素材を見つけ出すこと
二.もういいかなと思っても、もう一度しっかり練り込むこと
三.といっても、練り込みすぎも問題、適度な時期があること
四.店に出回っているそばの太さを気にすることなく自分の好みで仕上げること
五.切ったあと、乾燥させては駄目、切ったときのしっとりさを保つ努力は必要
六.打ったそばだけでは値うちがでない、つけ汁と薬味、そして器といったそばの味をひき立たせる環境も大切
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以上です。

2015年01月26日

ジュウシマツの子育てから学ぶファシリテーターの介入の心得

 皆さん、ジュウシマツという小鳥、御存じですか?

 我が家に、4、5年前に1羽飛び込んできて、しばらく1羽だけを飼っていたのですが、母親が亡くなり、母親が可愛がっていたこともあって、パートナーを小鳥屋さんから買ってきました。どうも、飛び込んできていたのは、メスで、元気のいいオスが一羽、パートナーとして見つかりました。やっぱり、小鳥でも相性と言うものはあるようで、しばらく、小鳥屋さんでオスを一羽いれて、様子を見ていて、喧嘩をせず仲良く過ごせそうな相手を見つけてきました。
 もう、帰ってくる車の中から、仲がいいこと、これまで一人暮らしをしていたメスは、2人の世界、いや2羽の世界を楽しんでいました。二人の愛の巣、丸いたこつぼみたいな形をしたものも入れてやりました。

 なんと、ほんの数日すると、愛の巣に、卵が生まれました。一日ごとに一個ずつ、結局4個の卵生まれました(正確には、5個で、1個は孵りませんでした)。いや、それからは、こちらも、毎日が楽しみで、よーく観察をしていました。

 ところで、鳥が初めて飛ぶ時、いや、飛ぶことをどのように学ぶのでしょうかね?生得的に、飛ぶことを身につけていて、なんの躊躇もなく、飛ぶことが、小鳥たちはできると思いますか?結構、これが面白かったのです。私は、鳥類に詳しい学者でもなんでもありません。まさに、素人の目が見た、小鳥の巣立ち、飛び立ちは、興味深ったです。

 卵から雛にかえり、日増しに育っていきます。それは、それは、やかましい程、ピーチクパーチクと母親(鳥)、父親(鳥)から餌をもらいます。ここでも、個体差はかなりあるようです。すばやく、餌を取って食べる子ども(鳥)と、いつも後に後になると子ども(鳥)がいるもんですね。そして、それが身体の大きさと比例するから、循環します。当然ですが、面白いです。

 以前、私は伝書鳩を飼っていて、鳥の恐い世界は見たことはあるのですが、本当に生々しいですよ。傷をおった鳥は、とことん、虐め抜かれるんです。血みどろになってもまだまだつつかれるのです。そこに、動物性の恐さを見る思いがします。

 で、飛ぶ時です。小鳥が成長して、飛ぶ時、どの鳥もさっと飛べると思うと、どうも違うんです。そして、それも、一人の力でなく、母親、父親も力を貸しているのです。

(1) 我が家のジュウシマツ君の場合、飛べるだけの身体になると、親鳥が、巣の前で、一生懸命、羽をバタバタと羽ばたき、子供達に見せるんです。分かります?こんなふうに羽を動かすんだよって。それは、それは、熱心です。特に、我が家の親鳥は、母親が熱心でした。父親、ちょっとばたばたして終わり。手抜きです。この父親は、私の姿を見ていたのかも知れません?!母親は力を入れて、バタバタと、羽ばたきのモデルを示します。そして、子供達は、それを見て、バタバタ。巣から、飛ぼう、飛ぼうとするのですが、恐くて、飛び立てません。結局、恐る恐る、飛べなくて、歩きながら、巣の上にあがったり、戻ったり、暫くしていました。それでも親鳥は、時には巣の前に立ち、バタバタしたり、飛んでみせたりして、モデルを示すのです。

(2) 上手くいかない場合、親鳥は次に、何をするのか想像できますか?親鳥たちは、巣の中に入って、小鳥たちの後ろに回り、自分の子供達を後ろから、トンと押すんです。小鳥たちは、クッと前のめりになり、こわごわですから、身体の重心が後ろにさがります。飛べないんです。でも、それでも、突いて押すんです。突き落とすようにしているといってもいいでしょう。でも、突き落としはしないのです。これが、なかなか心得た働きかけなんですね。

(3) そして、子どもの鳥たちの中で、勇気ある者というか、向こう見ずな鳥が、飛ぶというか、落ちます。そして、覚えていきます。後は、トライしながら学んでいっているみたいです。どこに、どのように着地するか?どのように力を入れて羽をばたつかせると、元の位置に戻れるか?など。そして、兄弟姉妹のうちの誰かが、行動を起こすことが結果としては、他の鳥たちに勇気を与え、飛ぶことを覚えさせるみたいです。

 以上が、ジュウシマツの子育てを観た、津村の観察記録です。

 ジュウシマツの子育てから学ぶファシリテーターの介入の心得

(1) 一人ひとりの違い、影響の与え方は、しっかり見ること

(2) しっかりモデルを示すこと。諦めずに、そして、相手に向かって、また時には、相手と同じ方向から見てモデルを示すこと。

(3) それでも、動けない時には、ちょっとプッシュすること。時には、しっかりプッシュすること。だけど、相手にダメージを与えるような、プッシュの仕方は禁物。

(4) 勇気ある新しい行動がとれたことへの評価、強化はしっかり行うこと。

(5) 同じように他の仲間も新しいことへのトライができる環境づくりも大切にすること。

2015年01月25日

「ファシリテーターの役割と技法」という研修のデザインと実施

 2015年1月24日(土)午前9時〜午後5時まで、大阪の某病院で副師長さんクラスの方々60名を対象に「ファシリテーターの役割と技法」と題して研修を行ってきました。
 朝5時に起床。午前6時過ぎの地下鉄に飛び乗り、午前6時35分発の新幹線で京都へ。京都駅から乗り継ぎ会場の病院に入りました。朝食は、新幹線の中でコーヒーとサンドイッチ。病院近くでコーヒーブレークで時間焼成をして、朝8時30分に会場である病院に入りました。
 講師控室にて少し挨拶して、会場に入ると、60人余の看護師さんたちの熱気が熱くすでに感じられる雰囲気でした。
 挨拶から簡単な一日の流れを説明して、早速グループごとに「今の気持ちは?」「今日学んでみたいことは?」の2つから自己紹介をかねてチェックイン。その後は、津村の常套的問いかけの「あなたはどんな体験をしましたか?」を記入。個人の体験をふりかえる3要素:行動・思考・感情の視点から説明し、「自分をマネジメントすることの大切さと視点」のお話をしました。最近は、ファシリテーターの大事な態度とスキルには「自分をマネジメントすること」が重要であると考えています。私の特徴、パターンを理解することと、そのパターンから抜け出せるようになることの大切です。これは、E.シャインのO-R-J-Iモデルと関連してくるのです。特に、状況をどのように観るか、その状況から何を感じ、そしてどんなふうに判断をして、働きかけるか、この一連の流れをしっかりとモニターできるようになることも、この行動・思考・感情の視点から自らをマネジできることと関連しているのです。
 午前の後半は、グループの状況を観ることと、グループの中で自分がどのように動いたり働きかけたり、また周りのメンバーから見られているかを把握するためのグループワークを行いました。問題解決実習「ナースをさがせ」を実施し、ふりかえり用紙に記入後わかちあいをしっかりおこなってもらいました。その後は、11グループありましたが、すべてのグループから気づきや学びを語ってもらい、それぞれにコメントを加えながら学びを深めていきました。
 コメントの時間が結構かかり、昼食が少し遅目の12:40頃から13:30まで。午後の部がスタートして、「ファシリテーター実践トレーニング」と題して、それぞれファシリテーター役、オブザーバー役、メンバー役を決めて、2回ほど討議とふりかえり用紙記入&わかちあいを行いました。1回めのスタートの前には、ラボラトリー方式の体験学習とはといった定義と体験学習の循環過程の話と、Reddyのプロセス・コンサルテーションのロードマップの紹介をヒントに実習をやってもらいました。
 2回めは、「効果的に会議を進めるためのヒント」といった資料を配布し簡単に説明して、討議とふりかえりを行ってもらいました。1回めは、「一生看護師を続けるために必要なことは?」2回めは「ファシリテーターとして大切なことは?」というテーマでディスカッションを行ってもらいました。かなり充実した話(コンテント)とファシリテーターのありようを巡ってのふりかえり(プロセス)を体験していただけたのではないかと考えています。
 午前の前半は、「自分をマネジメントする」、後半は「グループを観る&グループの中の自分の理解」、午後は「グループ活動をファシリテートすることを実践から学ぶ」といった構成で考えてみました。特に午後の後半の活動を通して、ファシリテーターという体験を繰り返しながら学ぶという態度の育成と必要性を理解していただけたなら幸いです。
 依頼を受けてから、今年のはじめには、参加者60名の現状と研修への期待がたくさん書かれた資料が送られてきた、かなりプレッシャーがありましたが、なんとかテーマに近づくことができたのではないかと思います。また、アンケートと、今回の学びをどのように現場に活かしたかのレポートが届くはずなので、とても楽しみにしています。
 これらの流れと資料類を一度まとめておこうかと考え始めています。
posted by つんつん at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | プロセスエデュケーション

2015年01月22日

先日(1月19日)某企業訪問で考えたこと

 今週の初め月曜日(2015年1月19日)某企業を訪問する機会がありました。2015年はいろいろな場面で関係が深まりそうな企業です。
 3つほどのミーティングを続けさまに行ってきました。
 一つは、マネージャー6人の方との面談。OD診断を受け、組織を改善していこうと意欲にあふれる6人の方々と、今何を課題に感じたり、何を学んでみたいと考えているかなどを聴かせていただくミーティングでした。津村の簡単な自己紹介からスタートして、一人ひとりの今の気持ちや状況を話してもらいました。その話に合いの手を入れるように、津村の知っていることを語るという、勝手気ままなミーティングになりました。プロセス・コンサルタントしては、もう少しクライアントの話を聴かなければいけないのでしょうが・・・。性分です。性分で片付けていいのか分かりませんが・・・・。
 大きな課題や悩みは、「各部署の会議があまり積極的に進められない」、「重い雰囲気になってしまう」、「部署の中でのメインテナンスに偏り、パフォーマンスの機能が足りないのではないか」、「一人で動いてしまうのではなく、部員と連動して動く、動かすことができていない」「ファシリテーター、ファシリテーション、コーチング等名前は聞くが、充分に理解できていないのではないか」、「マネージャーとしてどのようなリーダーシップをとればいいのか?」「管理職は何をすればよいのか?」「出来事を概念化する能力がほしい」など、たくさんのお話を聞かせてもらいました。
 その話を聴きながら、合いの手のように、「ファシリテーターの誕生(Tグループの誕生、ベーシックエンカウンターの誕生)からのファシリテーターと会議進行のファシリテーターの振り幅について」「会議に入るときのチェックインの機能と実施のおすすめ」「AIアプローチの誕生と基本的な考え方」「社会的相互作用の循環過程(CPSI)」など、話をさせていただきました。会議のファシリテーターに関しては、堀公俊さんの著作の紹介もして、次のミーティングまでにいろいろ一人ひとりがご自身で試されて、その報告を聴きながらミーティングをすることになりました。
 最初の予定は、情報収集をして、何か研修を組み立てて実施すると言うことでしたが、お話をお聴きしていると現場の事柄をそのまま扱えるようなミーティングがよいのではないかと思い、こうした提案をしました。こうした形のアプローチも一つのODコンサルタントの仕事といえるのではないかと思っています。ただ、このような体験は、実は津村は初めてで、どきどきしながらもワクワクしています。何がどのように変化していくのか?ともに変化を試み、組織の活性化を定着する試みをすることに対する、ちょっとした津村なりの挑戦です。
 その後、2つめのミーティング。ラボラトリー方式の体験学習を用いたグループプロセスからわたしやグループを理解する研修プログラムを、東京で実施するためのミーティングです。ご要望としては、企業のマネージャーを対象にするといった、対象を特化したプログラム内容を期待されているということでした。確かに、これまで幅広く、一般社会人を対象にラボラトリー体験学習を実施してきた身としては、新鮮な視点です。4月の下旬にある「プロセスから学ぶグループとわたし」(4月25日・26日)をマネージャーのグループ・マネジメントのためのというのを冠した内容に挑戦してみようかと考えた次第です。すぐに影響を受けやすい、私としては、若干内容を、上記の最初のマネージャーとのミーティングの影響を受けて、方向がぐっと絞られてきました。こちらも、見通しはないですが、興味はぐっとわき始めています。自分にこうした刺激があることはありがたいことです。
 そして、最後の3つめのミーティング。こちらはODN-Jの研究会でのTグループに関する話題提供の依頼でした。今年から、JIEL(日本体験学習研究所)では、Tグループを実施することになっていますので、こちらもお引き受けすることにしました。結構気軽にお引き受けしながら、いつものことながら我が首を絞めていることになるのでしょうが、フリーの身となって最初の年、できる限りのことには挑戦していきたいと考えています。
 読者のみなさま、よろしくお願いします。
posted by つんつん at 11:38| Comment(0) | TrackBack(0) | プロセスエデュケーション

2015年01月21日

大学最後の授業ゼミを終えて

 ついに、大学での専任として授業、すべて終了しました。最後は、ゼミの授業でした。授業と言っても我がゼミはゼミ生が企画運営しますので、ともに時を過ごした感じです。ゼミ生は、変な表現ですが、正規のゼミ生(4年生11名)と、自主的参加のゼミ生(3年生と2年生10名)、学外からはFAJ中部の支部長までされた方が参加してくれました。その中でも学生が、最後に大きな輪になり、非構成のグループを企画しました。1時間の凝縮した時間でしたが、一人ひとりの思いのこもったメッセージが交わされました。その言葉にはそれぞれに対する感謝の気持ちがたっぷり詰まったものがありました。それを熱い思いで聴き合いました。
 その後、「握手会」と称して、全員がすべてのメンバーと一言メッセージと握手&ハグ。これが予定していた時間を通り越してたっぷりと時間を使いました。ちょこっと、20歳の成人式を迎えて2年生の男子学生にお祝いとメッセージをかねて、そしてみんなへのメッセージをかねて、河島英五の「野風僧」を歌わせてもらいました。
 最後に記念写真とFAJ中部支部の方より花束まで、津村はいただきました。感謝!!感謝!!です!!
 遅くなったけど、いつものように、南山大学正門下の「冬月」に直行、楽しいひとときを過ごしました。「冬月」さんからもお疲れ様の「ワインとシャンパン」をいただき、みんなで飲みました。すべてに感謝です。
 そして、いつものように家内に車で迎えに来てもらい、自宅に向かいました。家内から「おつかれさま!」と声をかけられ、そして「元気で楽しい学生たちに囲まれてよかったね!」といったような言葉を聴くと、じわじわなみだが・・・。本当に何かやり終えたような、幸せな気持ちをたっぷり感じながら、自宅に帰ってきました。
 そして、翌朝、アップしたFACEBOOKの写真や記事、またゼミ生がアップしている写真と記事を見ながら、それらへのコメントを読みながら、ふと何か安堵感が・・・。この肩の荷が下りたような感覚ってなにだろうと思うと、自分の中に、「学生にとって悔いのない学生生活を送ってもらうためには・・・」「学生が学んでいるなと実感がもてる授業を創るためには・・・」などと、いろいろ考えていたんだなと、日々、津村としてはそのプレッシャーを感じながら、過ごしていたなあと・・・そのプレッシャーから解き放たれたような気持ちから来ているのではないかとふと思った次第です。
 これから、一人ひとりが、社会人として、4年生として、3年生として、自分の未知を切り拓いていってくれるでしょう。その姿を応援しながらも、私自身が、これから新しい人生を切り拓いていく一人として、がんばっていこうと新たな決意をし始めています。
 4月1日の新しいスタートまでの残された2ヶ月あまり、学生との時間、津村に与えられた南山大学での環境の中で、精一杯やれることをやっていこうと・・・
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2015年01月14日

JIEL公開講座「プロセスから学ぶグループとわたし」の内容紹介

2015年度からJIEL(日本体験学習研究所)では、公開講座を充実させていきたいと考えています。

その第一弾として、ラボラトリー方式の体験学習を用いたグループ・ファシリテーションの基礎講座として「プロセスから学ぶグループとわたし」を開催します。これまで、南山大学人間関係研究センターで人間関係講座グループとして実施していたものをベースに、個人とグループのプロセスの理解を深めること、またそのプロセスに働きかけるファシリテーターのありようにも少しアプローチしながら、プロセスを通してグループと自分自身のありようを学ぶ講座にする予定です。

目安としては、以下のようなプログラムを考えています。ご検討されている方は、是非ご参加ください。実習を用いたグループワークの基礎体験になると思います。

日程は、2015年4月25日(土)10:00〜18:00 26日(日)9:00 〜17:00です。
お申込は、こちらのWEB↓からお願いします。
      http://www.jiel.jp/

講座のファシリテーターは、津村と、JIEL研究員のチームで担当します。

学習目標
◎ラボラトリー方式の体験学習による学びの基礎的な考え方と具体的な進め方について体験を通して理解を深める
◎グループ・ワークをおこなう過程で生まれるプロセス(メンバーの参加の仕方、コミュニケーションのありよう、意思決定、リーダーシップなど)に気づく
◎グループ・ファシリテーターとして実践する際の自分のありよう(他者との関わり方、グループの中で自分の影響など)について、自ら気づくとともに、メンバー相互のフィードバックの授受を通して、学ぶ

学ぶ領域
T.「体験学習の循環過程」についての理解
U.「コンテントとプロセス」についての理解
V.「グループプロセスの諸要素」についての理解
W.実習教材をグループワークの体験と学びの実感
(1) 情報紙を用いた問題解決実習
(2) コンセンサス実習
(3) 創造的な活動実習
(X.「プログラムのデザイン」について理解)

プログラムの流れ
第一日――――――――――――――――――――――――
あいさつ
導入:このセミナーのねらいと流れの説明
実習1「わたしの窓」
 ねらい:お互いを知る/ねらいを明確にし共有する
 「コンテントとプロセス」を理解する
 (場合によっては)「体験学習の循環過程」のミニレクチャー
昼食
実習2「問題解決実習:ハッピーファーマー」
 ねらい:体験から学ぶことを体験する
     グループで問題解決をする過程で起こるプロセスに気づく
 ミニレクチャ「JOHARIの窓」&「フィードバックの留意点」

第二日――――――――――――――――――――――――
 グループでチェックイン
 ミニレクチャー「グループプロセスの諸要素」

実習3「ブロック・モデル」
 ねらい:グループの中での自分の働きについて気づく
     フィードバックを通して、個人やグループの成長に取り組む

 ミニレクチャー「タスクプロセスとメインテナンスプロセス」

実習4「コンセンサス:プロジェクト・チーム」
 ねらい:グループでコンセンサスを得る過程で起こることに気づき、意識的に働きかける

実習5「現場に向けて」
 ねらい:現場に戻っていく自分をイメージし、このセミナーで学んだことを確認し、日常で実践する課題を明確にする

ミニレクチャー「プログラムのデザイン」について

終了

参考テキスト
津村俊充 (2012). プロセス・エデュケーション〜学びを支援するファシリテーションの理論と実際〜 金子書房
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関心をもっていただけましたら、幸いです。

こちらのWEBをご覧ください。
http://www.jiel.jp/
posted by つんつん at 12:35| Comment(0) | TrackBack(0) | プロセスエデュケーション

2015年01月08日

ラボラトリー方式の体験学習の実践者になるために

 津村自身、1977年4月に非常勤として南山短期大学人間関係科に務め、2年後に常勤講師となり、先輩諸氏の動きを見よう見まねに習ってきたところがあります。
 特別体系だって学んだ訳でもありません。大学のスタッフ間、同僚間で学びあってきたといってもいいでしょう。
 今、その環境の維持が難しくなってきている中で、どのようにラボラトリー方式の体験学習の実践者が育つ環境を創り出すかが津村の課題と感じて、これからの5年×2=10年を過ごしたいと考えています。
 まずは、ラボラトリー方式の体験学習のプログラムを構成する要素、これはNTLにおいても、また私自身もその流れを汲みながら以下の4つの要素を話させていただいています。
 @集中的な対話のグループ=Tグループ(Tとは、トレーニングの略)
 A実習を用いた学習体験=実習のデザイン&実施とふりかえり
 B小講義=ミニレクチャーと称したりして、理論やモデルなどの提供
 C質問紙等道具の活用
 @は、JIELでは、「Tグループ」と「Tグループ・ファシリテーター・トレーニング」として開講予定。すでに何度かFACEBOOKはじめブログなどでもご案内済みです。
 Aは、JIELでは、ラボラトリー基礎講座として「プロセスから学ぶグループとわたし」、「プロセスから学ぶコミュニケーション」というタイトルで開催します。ぜひ、ご参加ください。そして、実習実施を主たる仕事とするファシリテーターとしては、「プログラム・デザイナー・トレーニング」、「実習実施ファシリテーター・トレーニング」、「実習づくりトレーニング」の3本立てのプログラムを準備しています。
 「プロセスから学ぶ」グループとわたし、コミュニケーションのシリーズは、まさにプロセスから学ぶ体験をしていただくことを目的としています。一参加者として、プロセスに気づきプロセスから学ぶ体験をしてください。
 「プログラム・デザイナー・トレーニング」では、実習を用いたプログラムの流れや各実習の実施に際しての留意点などを体験的に学びます。
 「実習実施ファシリテーター・トレーニング」では、既存の実習を用いて、実習のプレゼンテーションから、実施、ふりかえり、小講義に至る一連の流れについて、体験を通して学びます。
 「実習づくりトレーニング」では、実習そのものをクリエイティブに創り上げる体験をするプログラムです。
 どれも、魅力的と思われますので、ぜひご参加ください。

 その他にも、いろいろとラボラトリー方式の体験学習の実践者養成プログラムについては、考えていますので、今後ご紹介をしていきます。
posted by つんつん at 12:14| Comment(0) | TrackBack(0) | プロセスエデュケーション

2015年01月07日

Tグループのファシリテーターを養成するためのトレーニングを始めます!!

本日(2015年1月7日)FACEBOOKに掲載した「第1回Tグループ・ファシリテーター・トレーニング」の紹介記事です。お読みいただき、ラボラトリー方式の体験学習を継承してくださるメンバーになっていただければ、幸いです。
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 2015年度は、ラボラトリー方式の体験学習を用いたJIEL主催の公開講座を展開して参ります。
 一つの私どもの活動の中心(コア)のプログラムは、Tグループ(Tとはトレーニングの略)です。Tグループとは、自分や他者、またグループに対する気づきとかかわりを豊かにする体験です。

 そして、コア・プログラムをさらに充実するためには、Tグループを運営するファシリテーション力を高めていく必要があると考えています。そのためには、様々なトレーニングが必要になります。その一つが、TオブT(トレーナートレーニング)と言われるものです。

 TオブTは、ファシリテーター役、グループメンバー役、オブザーバー役を交互に担いながら、グループプロセスへの気づき(着眼点を広げ)、そのグループプロセスに働きかけるレパートリーを豊かにするためのトレーニングです。

 このトレーニングは、古くは、JICE(立教大学キリスト教教育研究所)で日本では行われ、SMILE(聖マーガレット生涯教育研究所)や南山短期大学人間関係研究センターなどで開催されてきていました。今日では、南山大学人間関係研究センター主催で、隔年で開催されています。今年(2015年)は、開催の年で、今年は8月下旬に予定されると思います。

 それらの流れを汲みながら、JIEL(日本体験学習研究所)では、「Tグループ・ファシリテーター・トレーニング」という講座名で今年から毎年実施の計画を立てました。今年は、9月の連休に予定しています。下記のURLをご覧ください。

 できる限り、NTL(National Training Laboratories)のラボラトリー方式の体験学習を大切にしながら、参加者の皆様方と丁寧に学ぶ機会を創りたいと考えています。そのために、グループは、1つのグループだけの実施を考えています。最大で12名。スタッフは、3名のスタッフがつき、できる限り多角的に学ぶことをモットーとしたいと考えています。

 参加資格は、5泊6日のTグループに参加いただいた方を優先的に、また、今後私どものTグループへの支援をしていただける可能性を秘めるために、JIEL主催のTグループ参加者を優先的に、ご参加いただきたいと考えています。

 長文になりましたが、どうぞJIELとともに、ラボラトリー方式の体験学習を継承していこうと考えてくださる方は、JIEL「Tグループ・ファシリテーター・トレーニング」にご参加ください。または、その前提のJIEL「Tグループ」にご参加ください。
 お待ちしております。

http://www.jiel.jp/index.html
posted by つんつん at 15:26| Comment(0) | TrackBack(0) | プロセスエデュケーション

2015年01月02日

2015年、JIELでは、TグループとTグループのファシリテーターのトレーニングをスタート!!!

新年あけましておめでとうございます!!

TグループのTとは、トレーニング(Training)のTの頭文字をとっています。
1946年K.Lewinとその仲間(LippittやBradfordたち)たちの民主的なリーダー養成や態度変容をめざしたワークショップの中から誕生したのです。
グループメンバーは10名ほどの参加者とトレーナー(最近はファシリテーターと呼ばれる)2名とで構成され、そこで起こるグループプロセスを素材に学びます。
5泊6日ほどの宿泊型の研修です。1セッション70〜90分ほどで、13〜15セッションを過ごし、5日目ごろの後半はセッションのふりかえりを通して学びます。
研修の終わり頃には、現場(日常生活)に向けての私の課題を明確にする時間をもちます。
このように小グループ体験を通して、グループや組織の再組織化に向けての働きかけやメンバーとの関係づくりのためのフィードバックについて学びます。
グループの中でのダイナミックスを理解したり、その中でのメンバーの一人ひとりのありようや影響力(リーダーシップ)に気づき学ぶための学びの場として誕生しました。
この学びは、1947年にNTLによりHuman Interation Laboratoryとして今日まで開発・発展してきたのです。

民主的な風土づくりをめざした組織開発の担い手である人材にとって、学習者の一人ひとりを大切にする教育やカウンセリングを実施する人にとって、Tグループの場での学びは欠かせない体験になると思います。

ただ、日本に入ってきて、高度成長期には、その学びのインパクトの強さにより、人を操るトレーニングと化してしまった過去もあります。
オイルショックから始まる日本経済への打撃なども影響し、この手間暇かかるTグループが衰退してきているのです。

一方、現在は、LewinやLippittらに源をもつ、ワールドカフェやOSTなどホールシステムアプローチのテクニカルな方法論が普及してきています。
参加者の一人ひとりのありように丁寧にかかわることができるファシリテーター養成には、このTグループは欠かせない学びの間場になると思います。

昨年のODNetJapanによる国際大会において、E.Shein氏からのメッセージにおいてもTグループが語られ、D.Whitneyさんからは、AIアプローチによる組織開発におけるコンサルタントのありようについてたくさんの示唆が話されました。
たとえば、
◎一人ひとりのメンバーの信頼=自分の命の専門家として
◎明確な目的=肯定的・未来志向的フォーカス
◎関係の中で、私、グループを実感する
◎計画的行動と即興的行動のバランス
   ※場を観る→動く→場を観る
◎共に学ぶ、共に発見する場=集合的知恵
が強調されました。これらの学びは、Tグループの場で得るチャンスがあるのです。

そのような中、JIEL(日本体験学習研究所)では、5泊6日のていねいにプロセスと向き合いながら、一人ひとりのありようを学ぶTグループを開催することにしました。
現在では、私の知る限り、南山大学人間関係研究センターでも5泊6日のTグループが行われています。

JIELでは、NTLの流れをもつTグループの開催とともに、Tグループのトレーナーのトレーニングを開催します。JIELでは、トレーナーのトレーニングを研修だけに終わらせるのではなく、実際にTグループのトレーナーとして活躍できる場も提供できることを願っています。

こうした活動を通して、ラボラトリー方式の体験学習を発展的に展開していきたいと考えています。
ぜひ、JIELにて6月もしくは12月開催のTグループにご参加ください。
http://www.jiel.jp

追伸:また、2016年3月には、南山大学人間関係研究センター主催のTグループも予定されています。
posted by つんつん at 18:22| Comment(0) | TrackBack(0) | プロセスエデュケーション

2014年12月01日

2015年度 JIELの新しいラボラトリー体験学習トレーニング・メニューがスタートします!

 いよいよ2015年、大きな決断のもと、NTLのメンバーとして、ラボラトリー方式の体験学習のプログラムを提供いたします。ぜひ、ご参加ください。

 まずは、米国NTLにおいても、どのセミナーに参加する際にも、参加資格になるコア・プログラムであるTグループ(Human Interaction Laboratory)を開催します。このTグループ研修(Laboratory)は、@Tグループ、A構成的グループ(実習体験から学ぶ)、Bミニレクチャー(理論やモデルを概念的に学ぶ)、Cふりかえり用紙など質問紙などのチェックリスト、が適切に構成されて、プログラムされます。ところが、近年では、体験偏重で、体験だけが行われるTグループや、時間的に短縮して、2泊3日、3泊4日といったプログラムが提供されるようになっています。それらの期間では、4つの構成要素から学ぶことは難しいのです。
 私ども、JIELでは、しっかりと5泊6日のTグループ(現在、南山大学人間関係研究センターでは実施)を開催します。また、「Tグループがこわい」といった声も聞こえてきます。確かに、これまでのTグループは、トレーナーが厳しく追及したり、感じさせる、学ばさせる、変化させるといった時代があったかもしれません。JIELでは、原点に立ち戻り、グループの中で起こっていること、個人の中で起こっていること、対人関係の中で起こっていることを大切にした学びの場を確保していきたいと考えています。

 人とかかわることを職業とされている幅広い方(コンサルタント、カウンセラー、教員、法務専門家、医師、看護師など)にとって、自分の人との関わり方を見つめ直し、また目の前で起こる複雑な人間関係のありように気づき、働きかけるといった対人関係能力やリーダーシップ&ファシリテーションの力を高めることに役立つと考えられます。どうぞ、私どものTグループにご参加ください。また、ご紹介いただければ幸いです。

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 また、私どもでは、Tグループのトレーニングに終わらず、Tグループのような非構成のグループのファシリテーター養成のプログラムや実習教材を用いた構成的グループのファシリテーター養成のプログラムも開催予定をしています。ぜひ、ラボラトリー方式の体験学習の理解を深めるとともに、ご自身の専門性を高めるためにも、ご参加いただければ、幸いです。

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 ※なお、宿泊費等は、現在概算で、昨年度の南山大学人間関係研究センター開催のもので計算しています。少し変動することがあることをご承知おきください。

 米国NTLの同様のプログラムをご覧いただく場合には、こちらのURLをご覧ください。Tグループ(Human Interaction Laboratory)の詳細が紹介されています。参加費もご覧いただければ、いかに私どもの講座参加費がリーズナブルかもご理解いただけると思います。
http://www.ntl.org
posted by つんつん at 20:52| Comment(0) | TrackBack(0) | プロセスエデュケーション